2002年5月30日号

2002.05.30

昨晩、イタリア大使館で、デミケリス元副首相、元外相を迎えて夕食会。
こういう夕食会は、経済の話題になることが多いのだが、さすが外務大臣経験者、経済のケの字もなく、いきなり前日ローマで署名されたNATOとロシアの新関係の話を持ち出す。
 いったい、なぜ、日本から何もメッセージがないのか、なぜ、日本はこうした展開に反応しないのか。いいか、今や日本は、irrelevantな存在だ。この状態を打破するためには、どうするのか。たとえば、この拡大NATOに日本も入るとか、そうした議論はないのか。
 てやんでえ、NATOなんか、アメリカが国連を頼れないときに、どこかのお墨付きがほしいといって、承認を求めるところじゃないか。
アメリカ別働隊じゃないか。それよりは、国連改革をきちんとやって、そこで、アメリカのユニラテラリズムをきちんとチェックすることが大事だ。
 それは、一昨日までの議論だ。昨日、新しいNATOがスタートしたのは現実なんだ。現実を見ろ。国連なんて、改革するのに上手くいって二十年かかる。国連改革といっている間の二十年はどうするんだ。
 おい、おい、国連改革を止めているのは、国連本部でコーヒークラブを主宰するイタリアではないか。
 仮に国連が改革されても、二国間と全世界的な二種類の枠組みでは世の中は動かない。地域的な枠組みが重要だ。だから、NATOの役割は、これから軍事から政治に変わっていくのだ。
 地域的な枠組みならば、日本はNATOではなくEAECだ。
 日本はアジアでの歴史問題をクリアしているのか。
 日本は日米同盟があり、さらにNATOへの道を探るのは、ひとつのバスケットに卵を全部入れるようなものだ。
 そういう選択もあるだろうが、日本は、アメリカの後を追うだけではなく、自分の意見を本当に言えるようになるのか。本当に一人で、アメリカに意見できるのか。NATOに入れば、我々と一緒にアメリカと違う発言ができるようになるぞ。いいか、今、アメリカのユニラテラリズムを止めるのは、日本が我々と一緒にきちんと発言することだ。今の世界を見てみろ。インド・パキスタン、アフガニスタン、イスラエル・パレスチナ、台湾海峡、朝鮮半島、東チモール。全部アジアの問題だ。アジアの問題に我々は頭を痛めている。アジアにNATOが兵を出しているんだ。PKOを出すとか、補給部隊を出すとかではなくて、世界の問題に日本は関与するのか、しないのか。今の日本は国際的に全く意味がない存在だ....。

外務委員会で議論されるのは、機密費、万国郵便条約、指輪、コーヒー条約、マグロ漁に関する条約、ムネオハウス、拾った帽子...。これじゃあ、戦略論はどこかに行っちまう。外務省問題は小委員会でも作って、きっちりやって、異議のない条約も別立てでやって、この国を世界の中で、どうして行くのか、議論していこう。外交を国対の犠牲にしてはいけない。

国連改革については、大使から、また、議論する場を作ろうということで。
イタリア大使は、鯉の専門家で、優れた鯉を安く買ってきて育てる。もともとは、バンコク駐在のときに、中国系タイ人の富豪から鯉を育てる趣味を習ったそうだ。

今日の四時、首相官邸の総理応接室へ。総理を若手で激励。
意味のない内閣改造などで抵抗勢力と絶対に妥協せず、本当に必要な大臣の交代は、人物本位で、派閥など無視してしっかりやってほしい。総裁は選挙できちんと選ばれたのだから、むしろ党人事をきちんとやって、総理が旗を振っているのに、公然と反対するならば、政府、党の役職から追放すべき。総裁選挙で選ばれた総裁がリーダーシップを発揮するのは当然であり、これを独裁などと言っているのは、政党政治を理解していないか、捻じ曲げている、と、申し上げる。
首相官邸の中庭の天井が実は可動式であることを発見。いわば、雨が降ると屋根がしまるドーム球場のようなもの。



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