風邪をひいた晩に

2011.01.18

土曜日の長野県の事業仕分けで一日中隣に座っていたコーディネーターの小瀬村女史が、朝からひどい風邪で死にそうだった。一日中心配していたのだが、なんとその風邪がうつった!

今日一日、うなりながら、薬を飲んで、ぬくぬくしながらスローダウン。

ということで(どういうことだ?)、山内康一ブログを見習って、去年読んだ本の中からかなり偏ったお薦めをあげてみよう。

まず、議会関係。
Philip Cowley著 The Rebels
1997年ブレア政権が誕生してから、いかに労働党のバックベンチャーがブレア内閣に反旗を翻し、本会議で反対票を投じたかを分析したもの。議院内閣制の下では、政府の一員となった議員は連帯責任を負うが、平議員には(たいら議員ではなくヒラ議員)連帯責任はない。しかし、日本の国会では自民党の長期政権下でこの最も基本的なルールが機能していない。

Gyles Brandreth著 Breaking the Code
議院内閣制の本家イギリスで、保守党メージャー政権で国対を務めた議員の日記。国対の活動については明かさないというウェストミンスターの不文律(CODE)を破って赤裸々に国対活動を記している。

イギリスつながりで
Rosemary Sutcliff著 The Eagle of the Ninth
ぺし坊にサトクリフのシリーズとシートン動物記を買ってあげたのだが、ちょっと時期が早かったか、サトクリフを読まない。で、自分で読むことにしたのだが、これだけは英語で読んでみようとわざわざアマゾンで買った。サトクリフは子どもの頃から大好きだが特にこの「第九軍団のワシ」と「辺境のオオカミ」はおすすめ。

最近、昔読んだ本をぺし坊に買ってあげようとすると、もう無いものが結構ある。
ジェフリー・トリーズの「この湖にボート禁止」とその続編「黒旗山の謎」も平塚市の図書館で借りて読んだ覚えがあるが、「黒旗山の謎」はとっくに廃刊になっていた。だんだん昔読んだ名作がなくなっているような気がする。親子で共通の本がなくなるのはちょっとかなしい。

エドワード・ルース著 インド厄介な経済大国
原題はIn Spite of the Gods: The Strange Rise of Modern India
FTのインド支局長を務めた著者がインドの政治、経済、社会についての変化を書いたもの。さすがに元宗主国だけあって、インドの現代について的確に分析している。インド経済の発展ばかりに視点を充てている本が多い中で、この一冊は貴重だ。

船橋洋一編 新世界 国々の興亡
朝日新聞の元主筆による世界のオピニオンリーダーのインタビューシリーズ。今は亡き、トニー・ジャッド氏のインタビューも含まれている。新世界の台頭する今の世界を考える知的な枠組みを提供してくれる。

加藤陽子著 それでも、日本人は「戦争」を選んだ
幼稚園から大学まで、一度も日本の近現代史を授業で学んだことがなかったので、司馬遼太郎をはじめひたすら本を読んだ。こういう授業を高校の時に受けてみたかった。世界史と日本史が縦割りになっていてはこういう本にならない。歴史を学ぶことの大切さを教えてくれる。

Bart D. Ehrman著 Jesus, Interrupted
ジョージタウン大学は1789年創立のアメリカ最古のカトリックの大学だ。学部生は何を専攻していようが神学を二科目取らないと卒業できない。で、しかたなく僕が取ったのが聖書学入門。これは歴史とシャーロックホームズを一緒にしたようなもので知的好奇心を大いに満足させてくれた。

この本は、昔のジョージタウンの授業を思い出させてくれる。
たとえばイエスがベツレヘムで生まれたのはなぜか。当時のローマの皇帝が人口調査を命じたので、ヨセフはマリアを連れてヨセフの先祖であるダビデが生まれたベツレヘムの町に戻ったというのがルカによる福音書に書かれている。しかし、ダビデが生まれたのはヨセフの約一千年前。ということは、ローマの人口調査は一千年前のご先祖様が生まれた場所に戻れということなのか。ローマ帝国の人間は誰でも一千年前にご先祖様がどこにいたかを知っているのか。では、あなたはあなたのご先祖様が一千年前にどこにいたか知っているか。もし本当にローマ帝国でこのような人口調査があれば、間違いなくローマ帝国の何らかの記録にそのことが記されているだろうが、そんなものは残されていない。...

新訳聖書がなぜ書かれたか、どう書かれたか、そしてどう変えられたかということがわかりやすく書かれている。風邪を引いてゆっくりしなければいけないような晩にお薦めだ。



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