一夜明けて  私はなぜ会期延長に賛成したか

2011.06.24

今朝入金するはずだった党本部からの交付金の振り込みが取り消されたという連絡で1日が始まる。議員会館の経常経費半年分だ。

党本部の外交部会。2+2について。アメリカ大使館の友人が、どちらかというと2+2というより4-3だねといっていたのを思い出す。(アメリカの国防長官も退任する)

ヨルダンのアラビア語新聞の取材と貸金業法改正の勉強会。

自分が正しいとは思っていても党と違う行動をとったのだから、役職の辞表を書く。党本部に提出に行く時に、地下道で蓮舫消費者問題担当大臣とすれ違う。「例の問題の打ち合わせをどこかでお願いします」と言われて、いかん、消費者問題調査会長を辞表に書き漏らした。

辞表の修正をしながら、来日中のシンガポールのゴー・チョクトン上級相との昼食会に帝国ホテルに向かう。

昼食会のメンバーは、党三役と小坂参院幹事長、塩崎代議士と僕。ここで辞表を手渡すわけにもいかないし。

しばらく静かにしていたが、上級相が原子力の問題を取り上げたので、Although today I am on probation, but 我が国の原子力業界は腐っている、力説した。上級相、笑いながら、彼はまだ党内で少数派かい。

遠藤筆頭副幹事長から、昨日の件で弁明を聞く機会をつくってから処分ということになるからとの連絡をいただく。

議員会館に戻って、スタッフに、辞表を出してからみんなの党にいくよと声をかけたら、ええっと驚いている。あれ、みんなの党の原子力の勉強会は今日だろと言ったら、離党してみんなの党にいくのかと思った、だって。おいおい、よせよ。

約1時間半、みんなの党の会議室で、原子力・エネルギー政策の勉強会で講師。渡辺代表から、みんなの党の総裁ポストが空席なのでこちらでぜひ、とお誘いをいただく。

その後、学術会議から河川の基本高水の検討状況についての説明。

自民党は、前日まで50日の会期延長で与党と合意していた。だから自民党は会期延長に反対しているわけではないという執行部の説明はウソではない。

しかし、昨日の本会議には、50日間の会期延長の動議はない。

昨日の本会議の採決は、会期を70日間延長をするかどうかだ。

自民党は会期を50日間延長しろと訴えたが、結果として70日間の会期延長の動議が本会議に提出され、採決となったのだから、それぞれの議員がとることができる選択肢は70日間の会期延長に賛成か、反対かだけである。反対が通れば、会期は延長されず、国会は閉会する。

自民党執行部は50日が妥当であり70日は長すぎると主張し、私は国会は通年でやるべきで70日は短すぎるという意見だ。

しかし、50日の延長も通年国会の開催も、そうした動議がかかっていない以上、その選択はできない。主張の如何に関わらず、70日の延長か閉会か、どちらかを選ばなくてはならなかった。

だから私は70日の会期延長に賛成した。

被災地の状況を考えれば、国会を閉会することはできない。東電に代わって国が賠償金を仮払いする法案を自民党は提出したばかりである。再生可能エネルギーの買い取り法案もある。そして特例公債法案も待ったなしだ。二次補正もある。

だから、閉会という選択肢はない。それならば、70日という数字にどの程度満足しているかは別として、賛成しなければならない。

私は、国会改革を訴える仲間や民自連といった超党派の仲間と一緒に通年国会をずっと訴えてきた。

南三陸や陸前高田、気仙沼などの被災地に足を運び、被災された方々や町長をはじめ行政に携わる方々の声を直接、聞いてきた。

今、政局で、復興を遅らせてはならない。永田町の理屈は、いや、屁理屈はどうでもいい。国民に、まっすぐに、政治が国民のために全力で動いているということを理解してもらえるような行動を議員一人一人が行っていかなければならない。

政治不信は極まっている。いや、むしろ、政治家不信だろう。

会期を70日延長したら三次補正が遅れるなどというのは永田町の理屈だ。世の中の理屈は、三次補正が必要ならば与野党の政治家が力を合わせてそれを全力で早くやればいい。

もし、自民党の理屈が被災された方々にもきちんと伝わるのだったら、なぜ、小野寺、秋葉、吉野、梶山といった被災地の代議士が本会議を退席しなければならなかったのか。彼らが一番、つらかったはずだ。なぜ、彼らが、自民党はこう行動したと堂々と地元で胸を張って伝えられるような行動を、自民党はとらなかったのか。

世の中が国会議員に望んでいるのは、与党も野党もなく、力を合わせて国民のために一生懸命仕事をしてくれということではないか。永田町の屁理屈で行動するのはやめよう。



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