全ては監査法人次第か

2011.05.06

ようやく浜岡原発の停止を政府が要請した。残りの原発に関してもきちんとしたストレステストをすべきだ。そして自民党としても、今回の政府の要請を評価し、後押しをしなければならない。

 

経産省のいわば主流の課長から、報道されている東電救済案は、税金投入をしたくない財務省主導の案で、経産省としては東電を何が何でも守る気持ちはないとの打ち明け話。ただ、このままいけば、民主党対東京電力の戦いは東京電力が勝つだろうと、彼は個人的には思っているらしい。

財務省は、一義的に東電の責任にして、交付国債で逃げておいて百年かけてもそれを返却させるということで、財政出動を避けようとしている。

財務省は当然に、金融機関に対して、これまでの貸し手責任は問わないから東電を支援しろと要請しているはずで、その担保として、株主責任は問わないことにするだろう(株主でさえ責任を問われないのに、金融機関が責任を問われることはないだろう)。

財務省は、損害賠償を財政で負担することにさえならなければなんでもよい。電力料金が値上げされようが、電力会社がこれからつくる「保険」で、既に起こってしまった事故の賠償を、後出しじゃんけんで払うことにしようがどうでもいいのだ。

財務省からしてみれば、監査法人がどう対応するかだろう。いやいや、監査法人にどう対応させるかだと思っているかもしれないが。

りそなやJALと同じようなあやまちが繰り返されることになるのだろうか。またしても監査法人のありかたが問われる。

 

そもそも賠償金どころか廃炉費用もわからない状況で、決算を出せるのだろうか。当然に、決算はまず、3ヶ月延期されるべきだろうし、その時点でも上場廃止はまぬがれないだろう。野田大臣が監査法人に圧力をかけますというならば別だが。

廃炉に10兆円ちかく、損害賠償にも少なくとも同じぐらいの費用がかかるかもしれないが、確定的なことはなにもわからないという企業が、上場を継続する意味があるだろうか。

上場廃止になったとしても、東電が市場で資金調達ができなくなり、株主が株を容易に売買できなくなるというだけだ。上場を継続したからといって、今の状況で、市場で資金調達ができるとは思えない。

東電は、JALと違って顧客が逃げないのだから、上場廃止になっても国が資金調達を保証して、電力供給を続けさせればよい。

いずれにしろ廃炉費用と賠償を考えると、東電をカラにしてもお金は足りそうもなく、国民負担は避けられないが、東電救済、株主と金融機関の責任も問わない現在の政府案ではだめだ。



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