託送料金の妥当性

2022.11.30

10月5日付で、電気料金のうち託送料金の妥当性について、消費者委員会に諮問したところ、11月28日付で消費者委員会から答申がありました。

その答申では、現在、電力・ガス取引監視等委員会(電取委)が行っている託送料金に関する査定について、次のような疑問点や留意事項が示されました。

電取委の査定が、一般送配電事業者をそれぞれ比較していることについて、もともと地域独占で競争が働かない中で事業を行ってきた電力会社同士を比較することが妥当なのか

トップランナー的補正といいながら、中央値や10社中第3位の値をベースとしていることは妥当なのか

設備の拡充や更新投資など既存のネットワークにかかる費用について、2017年度から2021年度において、単価及び全体コストが、特に規模の大きな工事種別を中心に上昇しているのはなぜか

規模の大きな工事種別の単価についての検証は充分に行われたのか

元請けの労務費の増大が重層的下請けの現場で働く人の給与を反映したものとなっているか確認ができているのか

工事の発注に関して、単に競争入札の導入割合を見るだけでなく、1社入札になっていないか、毎年同じ企業による受注が繰り返されていないか、入札のシェアが固定化していないか、同じ企業が数年おきに順番で落札していないかといったことが細かく精査されているか

査定の前提となる2017年度から2021年度の入札実態において、順位や顔ぶれが固定し、シェアもほぼ一定というケースが見られるが、コスト削減のためにどのような取り組みが行われているのか、またはいないのか、実態をより詳しく精査するべきではないか

次世代投資と銘うって、発電や小売にかかる費用を計上しているものはないか

次世代投資の中に「次世代スマートメーター」に係る費用計上が多く見られるが、スマートメーターは10年ごとの更新が必要であり、単なる更新のための投資ではないか

「需給予測の精緻化」など、本来送配電事業者の基本的な事業として捉えられるべきものが、次世代投資として計上されているのはなぜか

次世代投資として計上されている費用について、計画段階では精度を求めるのは困難であるものの、発注段階になれば競争入札によって価格が下がるものであり、今後の調達のモニタリングを含めたコスト管理が適切に行われているか、投資効果や計画履行の状況の検証をしていく必要があるが、こうしたモニタリングや検証は、現在検討されている電力会社内の第三者委員会ではなく、独立した委員で構成される外部のプロセスで公開の下、継続して行われるべきである。

この答申に基づき、11月29日付で消費者担当大臣から経産大臣宛に意見を出しました。今後は、経産省における対応状況を確認していくことになります。

仮に経産省の対応が十分でない時には、さらに意見を出すことになり、また、必要な場合には勧告を含めた対応をとることもできます。

物価上昇の局面で、電気料金に対する消費者の関心が高い中、消費者の利益を擁護するために消費者庁としてもしっかり対応していきます。



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