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おすすめの一冊「新書 世界現代史」
2026.04.10
おすすめの一冊「新書 世界現代史」 川北省吾 講談社現代新書
もうすでにベストセラーになっているので、改めて紹介する必要もないのかもしれませんが、「危機の三十年」同様に、テーマは現代の国際秩序の崩壊です。
ジャーナリストからの視点で、たくさんのインタビューを交えながら、読みやすく解説してくれています。
というよりも、もともとは筆者の所属する共同通信の大型インタビュー企画を、サブタイトルの問題意識で新書にまとめたものです。
タイトルは「世界現代史」ですが、現代史の教科書的なものではありません。
サブタイトルの「なぜ『力こそ正義』はよみがえったのか」をロシア、中国、アメリカ、グローバルサウスそれぞれの視点から解き明かしてくれます。
ロシアのNATOの東方拡大への反発や中国共産党の「中国の夢」を国論の統一に使おうとする試み、アメリカの白人の格差への抵抗と負け組になることへの怒りをわかりやすく解説するだけでなく、インターネットにのって欧米に広がるポピュリズム、過激主義についても触れています。
アメリカやヨーロッパに広がっている過激主義は、自国のリベラリズムや民主主義に対する敵意から中国やロシアといった権威主義政権に親和性を持ち、一部ではそうした政権のためにスパイ行為まで働いている例が挙げられています。
また、ドイツでは連邦議会を襲撃し、民主主義を停止しようとしたクーデター未遂事件まで起きています。
既存の体制に不満を持ち、自由より統制、民主主義より権威主義を目指そうとする動きは日本にもありますが、日本ではそうした動きは反ワクチン思想や外国人排斥などにつながっていきました。
トランプ第一期時代には、日本は最も政治的に安定していると言われましたが、経済格差を縮小し、年金制度などを改革して、みんなが安心して暮らせる社会を作る努力を続けていかないと日本にも過激主義が荒れ狂うことになりかねません。
国際秩序は国内社会と密接につながっているのです。









