片道、往復?

2023.11.13

国会が始まると、通常国会ならば総理の施政方針演説など政府4演説、臨時国会ならば総理の所信表明がまず行われ、次いでそれに対する代表質問が衆参の本会議で行われます。

それが終わるとまず衆議院で予算委員会が行われ、次に参議院で予算委員会が行われます。

衆議院、参議院の予算委員会は、はじめの2日程度は基本的質疑と呼ばれ、NHKのテレビ入りで行われるので、ご覧になったことがあるかもしれません。

衆議院の予算委員会と参議院の予算委員会の基本的質疑には、大きく違うところが一つあります。

それは質問時間の決め方です。

衆議院では「往復方式」と呼ばれ、質問時間と答弁時間を合わせて何分という決め方をします。

一人の質問者が委員長に指名された時から時計の針が動き始め、質問者が質問している間も閣僚が答弁している間も針は動き続けます。

参議院では、これが「片道方式」となります。

参議院では、質問者の質問時間が何分と決められます。

時計の針は質問者が質問をしている間だけ、チクタクと進み、閣僚の答弁の間は針は止まります。

閣僚がだらだらと答弁すると、その間は質問時間は減らないので、委員会の時間がどんどん延びてします。

私が安倍総理のもとで初入閣した時に、総理から、参議院では答弁を端的にするようにと注意されました。

閣僚の答弁が長くなると、委員会の進行が予定時間より遅れ、そのままだと順番が後ろの質問者はテレビに映らなくなってしまいます。

そこで衆議院では与党から質問が始まりますが、参議院では与党の質問の順番を後ろに下げて、途中で時間調整ができるようにしています。

どうやって時間調整をするかと言えば、質問をして閣僚が答えると針が止まるので、与党の質問者が、質問をしないで延々と演説をして質問時間の針を止めずに動かしていくのです。

時々、参議院の予算委員会をテレビでご覧になっている方から、自民党の質問者は質問をしないで自分の考えをだらだらとしゃべるばかりでけしからんとお叱りの電話をいただくことがありますが、あれは一生懸命遅れた時間を取り戻してNHKの放送時間にみんなが収まるようにがんばっているのです。

参議院でも基本的質疑が終わり、一般質疑になると、片道ではなく往復方式となります。



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