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ガチンコで無駄を検証した有識者会議
2014.05.15
農水省は、2007年度から国産バイオエタノール生産に関する補助を始めた。
2011年度まで続けられたこの「バイオ燃料地域利用モデル実証事業」は、まったく事業の自立に結びつかなかったにもかかわらず、2012年度から「バイオ燃料生産拠点確立事業」と名前を変えてつづけられた。
そして、とうとう事業開始から7年がたっても補助金に依存した構造は変わらなかった。
そこで昨年12月に、自民党の無駄遣い撲滅プロジェクトチームは、予算の執行の停止と今後の事業の可能性の検証を提案した。
農水省は、ただちにバイオ燃料生産拠点確立事業検証委員会を立ち上げた。メンバーは、
塚本修 東京理科大特命教授 座長
沖本美幸 公認会計士
倉坂秀史 千葉大学大学院教授
左近靖博 新日本有限責任監査法人 シニアマネジャー
柴田明夫 株式会社資源・食糧問題研究所代表
この検証委員会に関して、農水省は結論めいたものをあらかじめ示したりせず、ガチンコで検証させた。某経産省のエネルギー関係のいい加減な御用学者を集めた有識者会議とは違う。
その結果、「事業化計画は外部要因の変動により大きく影響されるものであるにもかかわらず、そのようなリスクを想定し、どのように吸収するのかを考慮した計画になっていないことが指摘できる。」などと非常に厳しい評価が下され、
「結論を出す時期を遅らせ、事業を継続することにより、その分だけ国、事業実施主体が避けることのできた不要の負担を追う可能性がある」。
さらに「事業開始時点で各事業実施主体から提出されたリスク対応を含まない計画を妥当なものとして承認し、補助事業の対象とした農林水産省の判断にも甘いところがあったと言わざるを得ない。」と農水省の責任を明確に指摘している。
検証委員会のメンバーの真摯な活動に感謝申し上げるとともに、あたりまえではあるが、自らの失敗を直視した農水省の対応も特記しておきたい。
自民党の無駄遣い撲滅プロジェクトチームは、これまでのヒアリングの結果をさらに突き詰めながら、来週から新しいヒアリングを始める。