官僚の退職金、総額83,124,800円、返金へ。

2011.12.10

日本の官僚が、国際機関に出向するということはしばしばあることだ。

その官僚が、国際機関を離れ、元の役所に戻る時、その国際機関から退職金をもらって帰ってくるということはない。ないはずだ。ないと思う。

いや、あった。

なんちゃって国際機関、日本ASEANセンターがその希有な国際機関だ。(なんちゃって国際機関とは、日本政府がそのほとんどの予算を支払っているが、名目上、他にも加盟国がいて微々たる予算を負担しているので、外務省が、あれは国際機関ですなどといいながら、実質的には日本政府がなんでも物事を決めているという特殊な天下りまたは現役出向機関のこと。)

日本ASEANセンターが、この数十年間、日本政府から出向してきた官僚に対して、センターから日本政府に戻る時に退職金を払い続けてきたことがわかった。

合計48名に対して、退職金総額83,124,800円。1人あたり平均支給額1,696,424円。外務省9人、経産省27人、国交省12人。

明らかにルールを逸脱して支払われてきたこの退職金を、全額、さかのぼって返金させることになった。

このなんちゃって国際機関日本ASEANセンターは、しばらく前に放漫運営で問題になり、当時の与党理事(自民党)がやたらと大騒ぎして、銀座のセンターを閉鎖して移動、外務省の天下り事務総長がクビになって民間から後任を公募するということになった。

その頃、そのうるさい代議士らが視察に来るというので、センターは、イベントホールが閑散としていてはまずいと、その日だけの講習会を追加開催するなどして、来場者がたくさんいるように見えるよう人を集めた。それにころっとだまされたその代議士が河野太郎だ。

ひょんなことから、数年前のその出来事がばれた。(天網恢々疎にして漏らさず)

で、このセンター、やっぱりおかしいと調べると、なんと退職金の支払いが..。さらに..。

当時、センターには部長が4人いて、ほとんどが霞ヶ関からの出向者だった。部長が4人も必要なのかとの問いに対して、組織改編しますということで、部長が3人に減らされたはずだったが、その時に廃止した「総務部長」のかわりに「企画調整官」というポストが設けられ、ちゃっかり部長級の給与が支払われていた。

しかも組織改編以前は外務省からの出向者は、総務部長補佐だったのに、今度は、部長クラスの企画調整官に外務省からの人間が座っている。焼け太りの典型だ。

しかもその企画調整官、ASEAN各国から公募したはずなのに、外務省がちゃっかり自分で座っている。

さらに、このセンター、32名の職員中、ASEAN各国政府からの出向者はわずかに4人。ベトナムから2人、カンボジアとインドネシアから1人ずつ。

と、シンガポールから、シンガポール政府が関知していない人間がセンターにいるとの知らせ。職員名簿を見ても、載っていない。

あれはいったい誰だと問い詰めると、コンサルタントです。

仕事は何かとさらに詰めると、英語のネイティブチェックです。

いくら支払っているのかとたずねると、年俸900万円です。

いったい何を考えているのか。英語のネイティブチェックに900万円!?

しかも、金土日休みということで、週に4日しか働いていない!

誰がどういう経緯で、シンガポールの人間を、こんなおかしな待遇で雇うことになったのか、しかも職員名簿にも載らない形で、を明らかにするように外務省が調査する。(センターの管理部門のトップは外務省なのに。)

さらに、ASEAN側から、観光交流部に英語ができず、コミュニケーションできない職員がいるとの苦情があったので確認すると、観光庁からの出向者が、それまでドメスティックな仕事をしていた人なので英語が苦手で...。

そんな人材をASEANセンターに出す観光庁も、受け入れたセンターも、放っておいた外務省も、要するにやる気がない。

さらに、銀座からの移動にあたって、移動の費用ということでセンターが借り入れをしているにもかかわらず、センターの各部署には数千万円の余剰金がある。なんじゃこりゃ、裏金か。

で、このセンター、どんな業績をあげているのかと思うと、まともなデータひとつない。

毎年、数億円の公費を投入しておきながら、外務省は、こうしたことに何一つ気がつかず(あるいはふりをして)、放置してきただけだった。その外務省が、ご指摘をいただいたので、センターの有用性や新しい時代にあったセンターのあり方を検討して参りたい等といってきたので、ぶち切れた。

センターが役に立っていない、必要ないことは明白だ。しかも、外務省はそのことを気にもしてこなかったし、管理すらしてこなかった。それを今になって有用性だのあり方だのの検討なんてふざけてはいけない。

もともとは当時の斎木アジア局長が、ASEANとの関係強化に必要だから、なんとか放漫経営を改善するので残してほしいと強く訴えたから生き延びた組織だ。ASEAN側からも、このセンターに対する期待はほとんどない。インドシナ三国とミャンマーは、予算が少ないので、センターに何かしてもらえればと思う気持ちはあるかもしれないが、その他の国は、おつきあいでわずかな拠出金を出しているだけだ。

来年早々に、このセンターに関する協定が切れるはずだ。そこでセンターを廃止すべきだ。外務大臣、そこ、ちゃんとやれますよね。

センターに捨ててきた毎年の予算を有効活用すれば、日本とASEANの関係強化にもっと役に立つ方法がある。

外務省が箱物ありき、組織ありきでセンターを維持しようとあがくなら、次の国会事業仕分けの1番手は、このセンターの廃止だ。

外務省、まじめにやってくれ。



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