小宮山大臣に対する不信(任)

2011.12.07

2004年の年金改革がもはや空洞化しているのは、多くの人が気がついている。

しかし、厚労省は2009年の年金再検証で、かなりデタラメな数字を使って、所得代替率50%、積立金100年は維持できると強弁してきた。

その時に厚労省が使った前提の数字は、国民年金の保険料納付率は80%だし、2020年以降ずっと、名目利回りが4.1%、名目賃金上昇率2.5%である。

しかも、その時の足下の数字は、名目賃金上昇率が2010年に3.4%とか2011年に2.7%、2011年は物価上昇率が1.4%などといった空想値だ。

そこで厚労省年金局に、かつて再検証で予測値を入れていたところに、まず今日までの現実の数字を入れて、年金財政がどうなるのか確認してほしいと要請した。

ところが返ってきた答えは、できません!

なんでと気色ばむと、パラメータを入れ替えて年金財政を計算しようとすると数ヶ月かかるから。

冗談じゃない、そろばんと計算尺で計算する時代でもあるまいし、神戸に行けば、もうスパコンだって使えるようになっているんだから、大臣の了解を取って可能なところまでやってくれとたのむと、数理課長が来て、小宮山大臣にその旨伝えましたが、大臣から来年2月まで(最新の人口推計が1月末に出るので)やらなくていい、最新の人口推計が出てから前提の数字を入れ替えて数字を検証するとの指示でしたと言う。

ちょっと待ってくれ。

政府与党がやっている税と社会保障の一体改革は、年末までにとりまとめするんじゃないのか。税と社会保障の一体改革の議論をしている時に、年金財政がどうなっているのか、数字を見ないで政府与党は議論をしているのか。

消費税引き上げの結論を出しておいて、あとから年金の最新状況はこうなっておりますという数字が出てくるのか。

今日から再開した自民党の年金制度の抜本改革を考える会で、柴山昌彦代議士や齋藤健代議士から、与党は今の議論する時に、そういう数字をよこせと言わないのかと質問が飛んだが、それに対する厚労省の答えは、そういう要求はありません。

おーい、与党はどういう議論をしているのだ。

家が燃えている時に、その火を見ないで、玄関のドアノブを取り替えるという議論をしているのに等しいではないか。

小宮山大臣は、官僚に言われたとおりにやっているだけなのだろうか。

消費税を上げますという結論ありきの議論(のふり)なのか。



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