IRENAの悲劇
2010.08.13
アブダビの友人がバケーションの途中に日本に立ち寄り、新しい議員会館を覗いていく。
お茶を飲みながら、日本とアメリカがお金を払わないからアブダビは余計な出費が多くてとこぼす。
IRENA(International Renewable ENergy Agency)のことだ。
日本はIRENAの条約に署名し批准したが、まだIRENAが正式に発足していないため、任意拠出金を支払っていない。アメリカは署名したが批准していないため、やはり拠出金をびた一文支払っていない。アメリカと日本が一、二の拠出国なので、IRENAの暫定オフィスはお金が干上がってしまい、本部の置かれているアブダビがコミットメントの数倍のお金を拠出して、資金繰りを繋いでいる。
http://www.irena.org/downloads/Foundconf/Signatory_States_2010.pdf
もともとドイツの肝いりでスタートしたこの組織だが、まずドイツに対抗心を燃やした国々がボン対アブダビの本部所在地選びでアブダビを選び(日本もアブダビ支持)、そしてこの組織の暫定トップはドイツの自然エネルギーの専門家対フランスの外交官と当て馬が一人というレースの中で、米英仏そして日本がフランスの外交官支持で暫定トップが決まった。
暫定的なトップマネジメントがフランス人で占められるという不思議な構成の中に、日本からは経産省の原子力派が派遣されている。
日本からの拠出を見ても経産省主導で、環境省と農水省が従というアクセルよりブレーキという形での参加になっている。
再生可能エネルギーの普及を目的に設立された組織だが、どうも話を聞いていると『政治主導』のようだ。注意深く見ていきたい。