IRENAの孤独

2008.12.10

IRENAという国際機関がある、いや、できる。
International Renewable ENergy Agency(国際再生可能エネルギー機関)という再生可能エネルギーの推進を行う国際機関の設立がこの10月に国際的に合意された。

2009年の1月26日と27日にドイツのボンで設立会合と条約への署名が始まり、準備委員会の第一回会合が行われる。

2008年10月の最終準備会合には51カ国が参加した。
ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、アルゼンチン、チリ、ブラジル、オーストラリア、韓国、インド、インドネシア、タイ、ベトナム、UAE、エジプト等々。あれっ。

日本は?

日本はまだ参加表明をしていない。
経済産業省が猛烈に反対をしている。経済産業省から事務局長を出しているIEAと重複する可能性のある組織はいらないと、参加を促しに来日したドイツ政府の特使にすげない態度をとって追い返した。

IEAはこれまで、再生可能エネルギーへの取組がとてもとても遅れていた。IRENA創設の話が出て、あわてて取組を始めた。
しかし、IRENA創設が最終的に確定した今、IEAと重複するからというのは屁理屈だ。
今や、経済産業省は経団連以上に再生可能エネルギーに後ろ向き、というよりもストップさせようと必死だ。
国益よりも電力と鉄鋼への気遣いだけだ。

外務省で地球温暖化を扱うのは地球規模問題審議官だが、IRENAを扱っているのは経済局の経済安全保障課で、ここはまったく後ろ向きだ。

環境省は推進派だが、ここは全く突破力がない。

官邸のリーダーシップを発揮しないと、省益ばかり考えている役所に足を引っ張られることになる。

太陽光で世界一を目指すとか何とかいっている日本が、再生可能エネルギーを推進する国際機関に入らないことがあってはいけない。

日本は、福田内閣のときに、国際再生エネルギー会議の2009年の開催誘致に失敗した。いや、正確にはお膳立てが整っていたのに省庁間の対立で手を挙げなかった。

IRENAに参加しなかったら、再生可能エネルギーの国際ルール作りに参加することができなくなる。アジアにおける再生可能エネルギー導入のリーダーシップも放棄することになるだろう。
日本初の技術の世界展開にも支障が出るかもしれない。

参加することのデメリットはIRENAの予算に対する拠出金を負担することになる。約5億円だ。
外務省は、無駄遣い撲滅の河野チームの目が光っているから、5億円の新規は出せないとのたまわった。
我々に出てこいというならば、喜んで出て行って優先順位の低い予算を5億円ぶった切る。

1月20日にオバマ政権が発足すれば、IRENAにアメリカも参加するかもしれない。麻生政権としては、再生可能エネルギーに後ろ向きの姿勢をとることはできない。



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