2004年7月22日号

2004.07.22

世界で一番馬鹿馬鹿しい(でも多少なりとも意味がある)出張に出る。

朝六時四十七分品川発の成田エクスプレスに乗る。
成田空港第二ターミナル七時五十四分着。
九時半発CA452便に乗る。
十一時五十五分、北京空港着。
入国管理を抜け、中国共産党中央対外連絡部(中連部)第二局日本処の趙世通副処長に出迎えてもらって車で北京市内の中連部へ。
お茶を一杯飲んで、一時半から中連部二階で開かれる「私が総理になったら」山本一太編(中国語版)の出版記念式典に出席。
二時から同じ場所でシンポジウム「日中関係戦略対話」に切り替わる。
シンポジウムの途中だが三時に退席し、一路北京空港へ。
五時十分発のCA451便に乗って成田へ。
実質北京市内滞在一時間半の出張だ!
しかも、この便が成田に着くともう成田エクスプレスはない。JR成田線の最終電車にしか乗れない。しかも、出発が三十分遅れた。
案の定、九時半着予定が十時近くになる。バスゲートに到着した時は、十時十分。全力疾走。入国審査を一番で通過。手ぶらだからそのまま税関にダッシュ。
税関で荷物をお忘れではないですかと尋ねられるが、荷物はない。
そこを抜け、地下に走り降りて、ホームへ。
十時二十分発の成田線最終に飛び込む。たぶん僕以外の乗客はほとんど乗れなかったのではないか。あとは十一時のリムジンバス最終になる。本当にひでえ空港だ!

この本の中国語版の出版に力を入れていた山本一太さんから22日に一緒に北京に行ってくれないかと訊かれて、日程調整をしたがうまくいかない。前の日はデジハリだし、次の日は毎年講師を引き受けているイベントがある。「現地滞在一時間半の日帰り日程しかないですね(だから今回はいけません)」という話で済んだと思ったら、「太郎ちゃん、じゃ一時間半でもいいから、そこにあわせて時間を組むから頼むね。僕も似たようなもんだから」
えっ、まじすか!?
一時間半でもいいからってのは、どっちかというと僕のセリフじゃないですか(絶対そのセリフ言わないけれど)。
まあ、これまでお互いに命綱を相手に託して山をここまで登ってきたし、大学の先輩、後輩だし、仕方ねえ、安いエコノミーで行くかと覚悟を決める。
飛行機の中で眠りこけ、飯はパス。飢えたまんまで中連部へ。そこへ露露レストランなるところでの昼食を腹一杯食べての登場は、我らが山本一太。「太郎ちゃん、今日は本当にありがとう。飯は食べた?」「いや何も食べてません」「.」さすがに顔色が変わった!
「一太さんの滞在は」「うん、3日」どこが似たもんなんだよう!

シンポジウムも途中までしかいられなかったがおもしろかった。小泉総理の靖国訪問を取り上げ、日中の政治関係は冷え切っていると力説する上の世代の学者と、経済関係は優秀(A)、政治関係は合格(C)、平均して日中関係は良好(B)という若手の研究者と好対照だった。
確かに小泉総理の靖国訪問のおかげで首脳の相互訪問が出来ないのは問題として大きい。しかし、経済関係は極めて良好に発展を遂げているし、外相会談はきちんと開かれ、閣僚級の交流もある。若手政治家は一時間半しかいられなくても北京に来る!
だから靖国神社の問題だけで政治関係が冷え込んでいると評価するのには異論がある。
日米同盟について、中国が民主化されるまでは他の選択肢が日本にはないと申し上げる。これについて、若手の研究者から、北朝鮮を理由にして日米同盟の強化をしているというよりも率直だと評価され、しかし、中国の民主化についての認識が違うのではないかと突っ込まれる。もちろん中国の民主化がすぐに完成するとは思っていない。だからしばらくの間は日米関係をきちんと強化、維持していく必要があるのだ。おもしろい議論が出来そうだったが、時間切れになって、あわてて空港に走る。

あー、疲れた。
でもこれが羽田からだったらちょっと事情は違う。早朝、深夜の発着でもっと滞在時間も長くできる。



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