2004年7月14日号

2004.07.14

昨日からアメリカに来ています。
コロラド州のアスペンでアスペンインスティチュートとフォーチュン誌の共催で開かれているbrainstorm2004に今日から三日間参加します。
日本の政治家は竹中大臣が直前にキャンセルになったため、僕一人の参加です。日本の政治家がきちんと海外に向かって主張するのはとても大切なことだと思います。特に、日本に対する興味が薄れていく中でこうした国際会議で発言するのは大事だと思います。
日本の政治家の外遊は、外国の肩書きのついた人に会っていろいろと質問をし、写真を取ってありがとうございましたというのが多すぎると思います。それよりも発言し、主張して、質疑応答をしてという他流試合をやって、さらにコーヒーブレークや飯で人間関係を作るという作業を政治家がやることが必要だと思います。

DAY1
10:00 ウェルカムブランチ
11:45 基調講演 カーリー・フィオリーナ(HP会長)
12:45 ヌール王妃(ヨルダン)他
13:00 テレサ・ハインツ・ケリー(ケリー上院議員夫人)
13:45 第一セッション
15:00 第二セッション
16:00 第三セッション
17:30 レセプション
18:15 特別セッション(中東と世界)
20:30 テッド・ターナー

第一セッションは以下の中から選択
Understanding Islam and what it means for the world
Is there a fortune at the bottom of the pyramid?
Doing business in dangerous places
The declinein America’s reputation*(僕の選択)
第二セッションは以下の中から選択
How to be a rational executive in a crazy market
China:REality check and outlook for business
If humans were built to last
Scenario planning at the Pentagon*
AIDS:Is it too late?
第三セッションは以下の中から選択
Technology, big brother,and your privacy
Winning the oil endgame*
Philanthropy with a profit motive
Scientific progress and spiritual panic

最もすばらしかったのは基調講演をしたHPのカーリー・フィオリーナ会長だった。おそらく彼女はアメリカで最初の女性の大統領になるだろう。
ディナーセッションになったテッド・ターナーのトークは爆笑の連続だった。CNNを創り上げ、アメリカズカップとワールドシリーズを制し、国連に対して途方もない貢献をしようとしている男はただ者ではなかった。
中東に関する特別セッションは参加予定のシモン・ペレスとエジプトのファミー駐米大使が欠席だった。ピンチヒッターにパネリストとして登場したヌール王妃に、中東の王制は立憲君主制に変わるべきではないか、その方が王制の正統性も高まるのではないかと質問したが、答はなかった。ニューヨーク市のモスクのイマーム・ファイサルがその通りだと答えてくれたが。かなり多くの人が夕食の時に「あの質問の答が聞きたかった」と声をかけてくれた。残念。
第三セッションでは、脱石油時代に備えて省エネと技術革新が必要になり、「再生可能エネルギー100%」に移行する必要があると言う意見がほとんどだった。
石油に変わって原子力というのはほとんど誰も相手にしない気違いざただった。
日本の省エネは進んでいるという意見に対しても、それはごく一部の産業のことで、例えば人家やビルなどの建物に関しては日本は非常に遅れているという指摘があった。燃料電池車にしても、まず車体を軽く安全なものにするための鉄に変わる素材の導入からの話になる。軍がまず調達をすることにより価格を下げ、それを民需に転用するというシナリオがある。
日本に対しては、省エネが進んでいる、自然エネルギーでは足りないという全く根拠のない二つの思いこみがあり、進歩を妨げているとの厳しい指摘があった。
テッド・ターナーも地球温暖化について思いを込めて力説していたし、実はアメリカはかなりエネルギー問題に関してしっかり取り組みつつあるとの印象を受けた。
京都議定書などよりも国家の安全保障だという意識が優先しているし、地球環境がこのままではダメになるという意見がいろいろな分野の人から出されていた。アメリカを侮ってはいけない。

この会議の主な参加者リストは:
カーリー・フィオリーナ、テッド・ターナー、ポール・ウォルフォウィッツ、ヌール王妃、テレサ・ハインツ・ケリー、ウェスリー・クラーク、バンダル王子、ビル・ブラッドリー、ティム・ワース、ジェリー・ブラウンJr、ジョン・ドーア、マイケル・アイズナー、ロバート・ヘフナー、ウィリアム・ヘーゼルタイン、ロバート・ミューラー、ラルフ・リード、ケイシー・ワッサーマン、ボリス・タディッチ、河野太郎等々総勢二百八十名
(問題 リストからFBI長官、セルビア大統領、ウォルト・ディズニーのCEOを探せ)

明日の午後が僕の出番だ!



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