2003年5月20日号

2003.05.20

金融庁提出の保険業法の一部改正案、つまり、生保の予定利率の引き下げ法案に反対する!
断固、この法案はおかしい。

党本部701号室、朝八時半からの自民党金融調査会・財務金融部会・保険問題小委員会・デフレ対策特命委員会合同会議で、生保の予定利率の引き下げをするための保険業法改正案の審議。
そこで起きたことは、ひな壇に座っている幹部の暴挙としかいいようがない。
生保が破綻すれば契約者が損をする、だから予定利率を引き下げて、少しでもその損を小さくという趣旨だが、経営者に責任を取らせるということと基金(株式会社の株主資本)や劣後債といった金融機関がその生保に出しているお金の取り扱いについての明確な規定をおいていない。
第一回目の会議から、予定利率を引き下げるならば、経営者はきちんと責任を取って退陣しなければならないということを法律に明記すること、契約者の保険金の引き下げ率以上に基金や劣後債などをカットしなければならないということの二点が法律に盛り込まれなければ、賛成できないと主張し続けてきた。
今日に至るまでゼロ回答。
この法案では賛成しないと明確に主張しているにもかかわらず、国会審議の都合もあり、会議で了承すると座長である佐藤剛男小委員長が押し切ろうとするので、反対だ、と叫ぶも、少数意見は関係ない等という罵声の中で、了承したことにされる。
中川国対委員長は、党内で議論すればよいのだから、国会に上程されたら反対は認めないと言うが、党内では少数意見など関係ないというならば、反対意見はどうなるのか。
僕以外に、経営責任をはっきりさせよと会議で触れたのは、左藤章、宮沢洋一の両氏だけだ。左藤さんは法律に明記、宮沢さんはガイドラインででも明確にしろ、と。他の議員は、どう考えているのか。

経営責任や基金、劣後債の取り扱いに関しては、契約者にどのように取り決めたかを通知すればよい、というのがこの法案だ。
このまま破綻したらあなた損しますよ、だから利率を引き下げさせて下さいね、という提案にくっついて、でも基金は減らしません、劣後債もあまりダメージが無く、という通知がきたら、契約者は、どうすればよいのか。
数百万人から一千万人もいる契約者が、それはおかしいからといって代替案をつくれるのか。

予定利率引き下げで、契約者への保険金支払いが削減されるにもかかわらず、基金や劣後債がダメージを受けないということになれば、契約者が損することによって、基金や劣後債を出している金融機関が守られたということになる。そんなことは、許されない。
経営者も当然に責任をとり、退陣しなければならない。どこまでの範囲で、例えば取締役は全員退陣するとか、法律に明確に規定するべきだろう。
金融庁は、都合の良い時には、これは民間の契約なのだから私的自治に任せるなどというが、私的自治に任せるような契約ならば、一方的に契約内容の変更はできない。この法律で、利率引き下げを認めるならば、契約者が納得するそのための条件を整えるべきだ。

はっきり言って僕は、金融庁なる役所を全く信頼していない。間違いなくやりますからと言われてもはいそうですか、とは言えない。それに、そんな裁量行政、行政指導をやられても金融業界は余計に腐るだけだ。

法案を押しきって了承したあとの部会では、りそな銀行への公的資金の注入が議題となった。
驚いたのは、監査法人への非難が続出したことだ。監査法人がけしからん、とか、税金を投入するのだから、監査法人なんかの意見で引き金が引かれて良いのか等という意見が出る。
自民党は、共産主義政党になったような気がする。
なんで、みんなそろって銀行を守ろうとするのか。



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