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プルトニウムはなぜ減るのか
2012.05.30
海外がどれだけ日本の原子力政策の転換を見つめているか、よくわかるエピソードがある。
プリンストン大学のフォン・ヒッペル教授をはじめ、海外の研究者達が、「原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会」の資料をみて、一様に首をかしげている。
4月27日に行われた第十三回会合の配付資料1-1の10ページに、「核分裂性プルトニウム貯蔵量の推移」というグラフがある。
日本の保有するプルトニウムの量がそれぞれの政策でどう変わっていくかを示しているはずのグラフだ。
(ここで示されているのは核分裂性のプルトニウム、つまり量がトンPuFで表されているので、実際のプルトニウム量、トンPuにするためには1.5倍する必要がある。)
全量直接処分シナリオを見ると、2012年に約25トンPuFの核分裂性プルトニウム量が、2017年までに約3トンPuFにまで減っている。
つまり今後5年間で、20トンPuF強のプルトニウムが「プルサーマルで燃やされる」ことになっている。
全量再処理シナリオを見ても、六ヶ所再処理工場で生み出される量以上のプルトニウムがプルサーマルで燃やされている。
あれだけのやらせ事件を引き起こしておいて、電力会社は、まだ、そんなペースでプルサーマルができると思っているのか。
しかも、なぜ、と尋ねられた内閣府は、このグラフは電力会社から示されたとおりのものを載せたと答える。
結局、この原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会は、秘密会だのいろいろやるけれど、結局電力会社の都合の良いシナリオをみんなで追認しようとしていただけなのか。
海外の研究者の方が、よっぽど、注意深く、このシナリオのおかしさを見ているのではないか。