原子力官僚の天下り

2012.05.31

5月26日付の朝日新聞「記者有論」が元経産事務次官の日立製作所社外取締役への天下りを批判している。

この元次官の経歴は、
1973年(昭和48年)4月 – 通商産業省入省
1987年(昭和62年)7月 – 機械情報産業局企画官
1988年(昭和63年)12月 – 大臣官房参事官(国会担当)
1990年(平成 2年)2月 – 大臣秘書官事務取扱
1991年(平成 3年)2月 – 資源エネルギー庁石油部開発課長
1992年(平成 4年)6月 – 日本貿易振興会デュッセルドルフ所長
1995年(平成 7年)6月 – 産業政策局企業行動課長
1997年(平成 9年)7月 – 産業政策局総務課長
1998年(平成10年)6月 – 大臣官房会計課長
1998年(平成10年)7月 – 大臣官房審議官(経済構造改革担当)
2000年(平成12年)6月 – 大臣官房審議官(原子力安全・保安院設立準備担当)
2001年(平成13年)1月 – 原子力安全・保安院次長
2002年(平成14年)7月 – 大臣官房商務流通審議官
2003年(平成15年)7月 – 中小企業庁長官
2006年(平成18年)7月 – 資源エネルギー庁長官
2008年(平成20年)7月 – 経済産業事務次官
2010年7月 – 依願退官
2010年8月 – 内閣官房参与

とエネ庁長官をやったり、保安院の設立に関与し、さらに原発輸出の旗を振ってきた人だ。

(いかに保安院がデタラメだったか、この人の経歴を見てもよくわかる。)

例えば
( http://chizai-tank.com/interview/interview20110901.htm )
第70回  『 右脳インタビュー 』  (2011/9/1)経済産業省顧問(元事務次官)でも、この元次官はこう述べている。

「今回、福島で災害が起きましたが、それにもかかわらず世界、特に新興国が電力需要に応えるには、やはり原子力が不可避です。

その時に世界で最も競争力があるのは日本の原子力産業です。原子力安全を考えれば、機器の単品売りではなく、システム事業を行うべきです。

今、世界が日本に一番求めているのは情報開示です。世界中の原子力産業は今回の事象についての知見を前提にしないと成り立たなくなってきています。

そして福島で対応している日本のメーカーやフランスのメーカーが蓄積するノウハウ、これがものすごく大きい。であれば、今度の事故のノウハウが一番わかっている日本が果たすべき責任も大きいはずです。日本がもともと得意としている分野でもありますので、怯まずやるべきだと思っています。」

歴代エネ庁長官が東電や原子炉メーカーに天下りをしているということも、原子力政策への信頼の失墜につながっている。

自民党、民主党両党の中では、未だに原子力族、電力族が跋扈している現実もある。

そうかと思うと民主党内でもこの天下りを阻止すべきだと頑張っている議員もいる。

原子力ムラの横暴をこれだけ国民も目にしてきたのだから、天下り一般論ではなく、このケースのような原子力関係への天下りを厳しく法で禁止するべきだ。



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