第四次補正予算のからくり

2012.01.27

平成23年度の第四次補正予算が提出される。

しかし、その中身を見ると、野田総理が不退転の決意で増税するのはなんのためか、わからなくなる。

この平成23年度第四次補正予算は、平成24年度予算を整えるために、24年度予算から溢れた分を各省がこの補正予算に突っ込んだのだ。

平成24年度予算のシーリング枠が厳しくて、予算枠をオーバーする分を財務省も共犯で、補正予算で面倒見てしまおうというのだ。

たとえば、内閣官房は、「東日本大震災における警察職員・消防吏員・消防団員・自衛官の殉職者に対する緊急叙勲の実施に際して授与される勲章等製造に必要な経費」として、3000万円を計上している。なぜ、これが平成24年度予算でなく、この補正予算なのか?

経産省は、「高性能小型衛星の研究開発」として「平成23年3月の震災により衛星試験設備等が被災し、研究開発スケジュールに遅れが出ているが、他方、我が国の地球観測衛星は平成23年5月に運用を停止したところであり、一刻も早い地球観測衛星の打上げが求められている。また、ベトナム政府より、本事業の成果となる小型レーダ衛星の平成29年及び平成32年における調達、同年の打上げが要請されている」として89億円。

平成23年5月から運用停止していたのなら、2ヶ月待って24年度予算でも十分なはずだ。平成29年と平成32年に打ち上げる衛星の予算が2ヶ月待てないはずがない。

農水省は、たとえば「農業体質強化のための畦畔除去等による区画拡大や暗渠排水等の農地整備、老朽施設の更新等の農業水利施設の整備を支援」に801億円。

厚労省は「基金の積み増し・延長等 合計4,813億円」!
その内訳は
「後期高齢者医療制度臨時特例基金等の積み増し・延長24年度分2,719億円
子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例基金の積み増し・延長 24年度末 526億円
安心こども基金の積み増し・延長 24年度末  1,234億円
妊婦健康診査支援基金の積み増し・延長 24年度末 181億円
障害者自立支援対策臨時特例基金の積み増し・延長等 24年度末 152億円」。

本来、当初予算を厳しく査定し、枠を超えたものは優先順位をつけて削るのが正しいやり方だ。財務省に、もはや当事者意識も当事者能力もないのだろうか。

こんなことをやっていたら、財政再建はできない。行政刷新、いや行政改革、あれどっちだったか、を担当する岡田副総理は、こんなでたらめな補正予算を認めるのだろうか。



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