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アラブのパイプライン
2012.01.26
久しぶりにクウェートの友人と話をする。
クウェートは、間近に迫った総選挙が関心事らしいが、ホルムズ海峡の問題について、いろいろとクウェートの視点から、教えてもらう。
以下、私の友人の話。
ホルムズ海峡の緊張は、これから6月頃に向けて高まっていくだろう。
一つはヨーロッパの禁輸、もう一つはアブダビが建設しているホルムズ海峡を迂回してアラビア海に直接積み出しをすることができるパイプラインが6月までに完了するらしいこと。
もし、ホルムズ海峡が封鎖されれば、この150万バレル/日のUAEパイプラインとサウジアラビアの東岸から紅海のヤンブーまでの500万バレル/日のパイプラインの二つが頼りになる。
サウジアラビアのパイプラインはおそらく現在、150万バレル程度しか使っていないはずなので、これで350万バレル、アブダビの新パイプラインで150万バレル、合計500万バレル/日の容量になる。現在の1600万バレルの三分の一程度だ。
これ以外に、イラクのキルクークとトルコを結ぶ30万バレル/日のパイプラインが生きている。
さらに、イラクと地中海東岸を結んでいたパイプライン、サウジアラビアからヨルダン経由で地中海につながる50万バレルのパイプライン、キルクークとシリアを結ぶ30万バレルのパイプラインなども存在するが、現在は使われていないようだ。
1991年まで、イラクから165万バレルの石油をサウジの紅海沿岸までつなぐパイプラインが使われていたが、サウジの東西を結ぶ500万バレルのパイプラインにつながるので、容量が増えるものではない。
結局、こうしたものを生かしたとしても760万バレル/日しか積み出せず、さらに船の手配や保険料などもどうなるかわからず、もし現実に封鎖が起きれば、かなり厳しい状況になる。