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おすすめの一冊「赤と青のガウン」
2024.04.28
今日は春の園遊会でした。
今日のおすすめの一冊は、
「赤と青のガウン」 彬子女王
彬子女王殿下のオックスフォード留学記です。
一人の日本の若者が、英語のハンディを乗り越えてオックスフォード大学で博士号を取得するまでのガッツある体験記です。
ぜひ、日本の若者に読んでもらって、海外を目指してほしいと思います。
天皇陛下も同じオックスフォード大学に留学され、さまざまなご体験を「テムズとともに」という留学記に書かれていることは以前紹介しましたが、彬子女王殿下も博士号を取るだけでなく、いろいろな体験をされています。
「会話がすべて自分の頭の上を飛び交う。ときどき私に話を振ってくれることがあっても、会話にまったくついていけていないので、返事をすることができない。」
おー、やっぱり、俺もそうだったなという感じの出だしから女王殿下もスタートされます。
天皇陛下の時とは違って、彬子女王殿下には留学中、側衛(皇族の護衛官)もイギリス側の護衛官も付かず、お一人での生活になりました。
「生まれて初めて一人で街を歩いたのは日本ではなくオックスフォードだった。」
天皇陛下はオックスフォードのマートンコレッジ、彬子女王殿下の父君、寛仁親王殿下はオックスフォードのモードリンコレッジに留学されていました。
「父に『皇太子殿下が図書館の使い方などを教えて下さって...』と興奮しながら報告をした。すると、一瞬の沈黙をおいて父がひと言。『図書館なんてあったかな..。』」
そこまで書いていいんかい。
「日本にいるあいだは『専門でないのでわかりません』といえたことも、英国ではなかなか通用しない。『自分の国のことなのに、なぜわからないのか』といわれてしまうこともある。まして、私の場合は『日本のプリンセスなのに』という前置きもある。」
たしかに海外に出ると日本のことをもっと勉強しないとという場面に出くわします。
女王殿下は、皇族のパスポート事情をはじめ、皇族として生活することをかなり詳しく説明されています。
皇族は海外旅行に出かける前に皇居内の賢所に参拝し、また、帰国後も、同様にお礼を申し上げることとなっていたり、本来は伊勢神宮に参拝するのが通例であったり。
「伊勢神宮に参拝するためには、長服、帽子、靴、ハンドバッグも清浄な新しいものでなければならな」かったり、「かつて神宮で用いたものを、賢所をはじめとするほかの神社の参拝のために『下ろす』ことはできても、逆は絶対に許されない。」
彬子女王殿下の留学をあと押しされ、2012年に薨去された寛仁親王殿下についての特別寄稿も付け加えられています。
「そういえば、こんなことがあった。父が赤坂御用地のまわりをウォーキング中に職務質問されたのである。警邏中だった機動隊員に不審者と間違われ、『どこに行かれるんですか?』と声をかけられたのである。」
特別寄稿の最後はこう結ばれています。
「柏さま、『多謝』。雪より。」
柏は寛仁親王殿下のお印、雪は彬子女王殿下のお印です。
肝心の留学中のことについてはぜひ、皆様、ご自身でお読み下さい。