北欧出張(フィンランド・スウェーデン・エストニア)

2023.07.26

フィンランド、スウェーデン、エストニアの三カ国を訪問しました。

2022年の国連のe-Governmentサーベイによると、フィンランドは二位、スウェーデンは5位、エストニアは8位です。

同じく2022年のスイスのビジネススクールIMDの世界デジタル競争力ランキングによれば、スウェーデンが3位、フィンランドが7位、エストニアが20位となっています。

G7で合意されたDFFTに関する新たな国際的な枠組みに、こうした北欧のデジタル先進国の参加を確保することは非常に重要です。

又、これら三カ国はかなり以前から国民にID番号を割り当て、行政や医療部門のデジタル化を積極的に進めてきました。

この三カ国のこれまでの歩みと課題、これからの取り組みについて、意見交換し、とくに医療と税の分野で詳しく話を聞いてきました。

また、ノキアとエリクソンという5G、6G以降の移動通信技術を持つ企業のこれからのアプリケーションを見せてもらいました。

7月11日
22:50 羽田発 JL47 13時間45分

7月12日
06:35 ヘルシンキ着

10:00 ヴィッレ・タヴィオ外国貿易・開発大臣との会談
前任のスキンナリ大臣とはダボス会議でも会談し、DFFTについて意見交換してきました。

G7で新たな国際的な枠組みの設立が合意されたことを受けて、フィンランドの参加を考慮するように要請しました。

またフィンランドが世界最大級のスタートアップイベントであるSlashを開催するなど、スタートアップの振興に力を入れていることもあり、日フィンランド間の信頼性のある自由なデータ流通の確保と両国間の手続の相互認証の可能性を追求することにしました。

11:05 Withsecure社(旧F-Secure社)訪問
ユハニ・ヒンティッカCEO

サイバーセキュリティの分野では、世界的に知られている企業であり、日本のGIGAスクールのセキュリティにも協力しています。

多くのサイバー犯罪の解決にも貢献してきたミッコ・ヒッポネンCROとウクライナ後の状況について意見交換。

「AIなど技術はますます簡単に利用できるようになっている。そのほとんどは無害かもしれないが、ディープフェイクはサイバーセキュリティに取って大きな脅威になる。」

国家レベルのサイバー攻撃の多くは中国から来るが、ロシアや北朝鮮から中国を経由してきているものもある。

北朝鮮の攻撃はユニークで、資金をかすめとることを主な目的としている。

12:30 在フィンランド日系企業との昼食会
日本航空、Top Data Science、Muji Finland、Business Oulu、Enter Espoo

14:00 財務省デジタル人口データサービス庁・財務省@首相府

人口情報システムの管理・運営を管轄。

国民・公的機関のデータを集約し統計調査、行政の意思決定と計画、課税、選挙、司法行政などに幅広く利用される。

個人のID番号は、出生とともに付与され行政の他、金融、保険、民間医療など民間部門でのサービスにも広く利用されている。

フィンランドのID番号は、生年月日(6桁の数字)+個人番号(3桁の数字)+チェックデジット(1桁のアルファベット)。

個人のIDカードの他に、ケラカードと呼ばれる医療・福祉用のカードがあるが、そこで使われる番号は個人のID番号。

薬局などでは個人のID番号だけで薬を受け取ることができる。

医療情報アーカイブに医療機関から電子カルテが情報共有されるが、データのアクセスには本人の承認が必要。

16:00 NOKIA社訪問
5G、Beyond5G技術を活用したアプリケーションの視察。

19:00 夕食

7月13日
07:25 ヘルシンキ発 AY801

07:25 ストックホルム着

08:30 ガムラスタンにて国会議事堂視察

10:00 Vinnova(システム・イノベーション庁)
ヨラン・マルクルンド副長官他

気候産業省が管轄するイノベーションのための政府機関。

EUの研究革新枠組み計画のスウェーデン側の窓口。

11:20 e-Health庁
2014年に設立され、医療のデジタル化に取り組んでいる政府機関。

処方箋の電子化は99%となり、システムで処方箋に間違いなどがないかをチェックしている。

EUのEHDS(European Health Data Space)に関する政策を進めている。

医療データの越境流通に関する課題が多く、DFFTに関する新たな国際的な枠組みで取り上げられるべき個別プロジェクトもありうる。

13:00 DIGG長官との昼食会


DIGG(デジタル庁)は、2018年に公共部門の横断的なデジタル化のために財務省傘下に設立された。

デジタルID、デジタルインボイス、デジタルメールサービス等々を管轄する。

G7で新たな国際的な枠組みの設立が合意されたことを受けて、スウェーデンの参加を考慮するように要請しました。

14:50 国税庁
税の徴収を行う政府機関。

ほぼ書かない確定申告ができている。

90%以上の納税者がデジタル申告している。

スウェーデンでは「Agency」と呼ばれる政府機関が約300あるが、業務に関しては、閣僚の直接の指示の対象とならず、自律して業務を行う。

スウェーデンの個人IDは、生年月日(6桁の数字)+個人番号(男は奇数、女は偶数の3桁の数字)+チェックデジット(1桁の数字)だが、同じ日に生まれた人が多くて日付部分を変更した例があったり、百歳以上生きた人がいて同じ番号がつけられた場合があった(券面上は同じ番号だが、コンピュータは生年月日を8桁で管理しているので問題はないとのこと)。

スウェーデンでは現金で支払いをおこなう人が9%未満となり、現金の流通額はGDPの1.3%まで低下した。

16:30 Ericsson社訪問
5G、Beyond5G技術を活用したアプリケーションの視察。

18:30 夕食会@大使公邸

21:50 ストックホルム発

23:50 タリン着

7月14日
09:30 カヤ・カッラス首相との会談@首相府
DFFTについて意見交換し、G7で新たな国際枠組みの設立が合意されたことを受けて、エストニアの参加を考慮するように要請しました。

また、昨年5月に締結した協力覚書に基づいて、デジタル化に関する両国間の協力を進めていくことを確認しました。

デジタルIDの相互認証や出入国におけるスマートエントリーの実現など、具体的な実例を積み上げていくことで合意。

10:25 e-ESTONIAブリーフィングセンター
エストニアの個人IDは、性別と生まれた世紀(1桁の数字 20世紀生まれの男は3 21世紀生まれの女は6)+生年月日(6桁)+個人番号(4桁)

電子投票は2023年の春の総選挙で投票の51%が電子投票になった。

投票は何回でも行うことができて、最後の投票のみが有効となる。

行政手続でオンラインでできないのは離婚のみだが、離婚もオンライン化の予定。

ウクライナの開発したアプリDiiaをベースにした新しいmRiikアプリを開発し、導入予定。

EUの進めるデジタルIDウォレットとのデータ連携を目指している。

11:30 Auve Tech社デモンストレーション
エストニアで実現している自動運転のデモンストレーション。

日本でも茨城県境町などでエストニア製の自動運転車が実用実験に使われています。

12:00 リーサロ経済大臣との会談
首相と同様に、DFFTについて意見交換し、G7で新たな国際的枠組みの設立が合意されたことを受けて、エストニアの参加を考慮するように要請しました。

また、昨年5月に締結した協力覚書に基づいて、デジタル化に関する両国間の協力を進めていくことを確認しました。

デジタルIDの相互認証や出入国におけるスマートエントリーの実現など、具体的な実例を積み上げていくことで合意。

13:00 リーサロ経済大臣との昼食会
ウクライナ問題をはじめ、さまざまな課題についての意見交換。

15:00 RIA(国家情報システム庁)
RIAとウクライナのデジタル省と三者会談。

ウクライナデジタル省はオンラインで参加。

また、RIAともDFFTについて意見交換し、G7で新たな国際的枠組みの設立が合意されたことを受けて、エストニアの参加を考慮するように要請しました。

また、昨年5月に締結した協力覚書に基づいて、デジタル化に関する両国間の協力を進めていくことを確認しました。

デジタルIDの相互認証や出入国におけるスマートエントリーの実現など、具体的な実例を積み上げていくことで合意。

17:30 日系メディアの取材

18:00 エストニア外務省モニカ・レイネム氏、インダレック・カニックICDS(International Centre for Defence and Security)ディレクターとの懇談

18:30 夕食会@大使公邸

7月15日
09:45 NATOサイバーセキュリティセンター(CCDCOE)
サイバーセキュリティの現状についての意見交換。

11:00 エストニア日本友好議員連盟との会談
カリユライド議連会長、スット前起業IT大臣、コロベイク議員

エストニア議会の本会議場

15:15 タリン発

15:50 ヘルシンキ着

16:40 ヘルシンキ発 JL48 14時間15分

7月16日
12:55 羽田着



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