機能性表示食品
2023.07.08
よく「トクホ」とも呼ばれる特定保健用食品には、からだに影響を与える成分を含み、その食品を摂取することによって特定の効果を期待できるという表示をすることができます。
特定保健用食品は、食品ごとに食品の有効性や安全性について国が審査し、許可を与えます。
この制度とは別に、機能性表示食品という制度があります。
こちらは、国の定めるルールに基づき、事業者自らが食品の安全性と機能性に関する科学的な根拠など必要な事項を販売前に消費者庁長官に届け出ることで機能性を表示することができます。
機能性表示食品は、表示される機能については、国が個別に許可しているものではありません。
その表示の裏付けとなる科学的根拠が合理性を欠くと認められる場合には、その表示は景品表示法に基づく虚偽誇大表示等に当たる恐れがあります。
6月30日に、さくらフォレスト社が供給する「きなり匠」「きなり極」の二種類の機能性表示食品に対して、機能性表示食品として届出・公表されている情報を含め、広告などの表示を裏付ける合理的な根拠が認められなかったとの判断を景品表示法当局として示しました。
この二つの商品は、「DHA・EPAには中性脂肪を低下させる機能がある」「モノグルコシルヘスペリジンには血圧を下げる機能がある」「オリーブ由来ヒドロキシチロソールには悪玉コレステロールの酸化を抑制させる」といった表示をしていましたが、表示の裏付けとなる合理的な根拠がないとされました。
この対象となった2つの商品につきましては、措置命令の発出日に直ちに同社から撤回届出が提出されました。
こうした事案が起きたので、この機能性表示制度に対する信頼が損なわれることのないように、すべての機能性表示食品に関して、既に届出・公表されている科学的根拠の再検証を随時行うよう、関係事業者団体に対して文書で指導をいたしました。
さらに、今後、科学的根拠の質を向上させるため、主な科学的根拠として届け出られている研究レビューが準拠すべき国際指針を従来の「プリズマ2009」から最新の「プリズマ2020」にすることを原則とする方向で届出ガイドラインを改正することにします。
また今回措置命令の対象となりました二つの商品と同一成分であって、科学的根拠が同一であるという他の商品に対して、科学的根拠として疑義がある点を指摘し、届出者から二週間以内に回答するように求めました。
確認対象となる商品は約90件あります。
確認の結果は準備ができ次第、その概要を公表します。