おすすめの一冊「ティラノサウルス解体新書」
2023.06.29
久しぶりのおすすめの一冊です。
「ティラノサウルス解体新書」 小林快次著 講談社
小さい頃、いっとき恐竜にのめり込んでいたペシ坊が、大きくなってから、「僕なんで恐竜学者にならなかったんだろう」とぼそっと言ったことがあります。
私も昔々、恐竜に凝っていたことがありましたが、恐竜学者にはなりませんでした。
思えば、恐竜の図鑑はたくさんありますが、恐竜の名前を一通り覚えてしまうと、なかなかそこから先を示してくれるような本に出会うチャンスがないまま、興味が次に移ってしまったような気がします。
この「ティラノサウルス解体新書」は、恐竜に興味を持ったこどもから大人に、恐竜に関する謎を解くために研究者はどんなことをしているのか、どんなことを考えているのか、どんな観察からどんな結論を導き出しているのかということをわかりやすく示してくれています。
ティラノサウルスにはどんな仲間がいたのか、どこにいたのか、ティラノサウルスには、実際にどんな特徴があったのかということを、こうやって調べています、こうやって仮説をたててますということを丁寧に解説してくれています。
ティラノサウルスに羽毛はあったのか、何を食べていたのか、親のティラノサウルスは卵を守っていたのか、どのように成長したのか、耳や目や鼻はどれぐらい発達していたのか、時速何キロで走ったのか等々。
そしてそれをどうやって調べたのか。
この本が出たことで、恐竜の名前を言える恐竜好きや恐竜ファンが、もう一歩ふみこんで恐竜研究の手法にも興味を持ってくれるようになるのではないでしょうか。
それがきっと日本の恐竜研究者の数を増やすことにつながるのではと期待します。
かつての恐竜好きに、おすすめです。
個人的にはアロサウルス解体新書やブロントサウルス解体新書もお願いしたいところです。