記者会見5月12日

2023.05.15

今週5月10日、「不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律」が成立いたしました。

今回の改正は、近年、インターネット上の広告が増え、不当表示の疑いのある情報も増加しておりますので、不当表示を取り締まる法律である景品表示法の対応力を高めるための法整備ということになります。

具体的には、まず、事業者の自主的な取組として、優良誤認表示の疑いのある表示をした事業者が是正措置計画の認定を受けたときは、措置命令、あるいは課徴金納付命令の適用を受けないこととする確約手続を導入することといたしました。

また、違反行為に対する抑止力の強化として、10年以内に課徴金納付命令を受けたことがある事業者に対して、課徴金の額を1.5倍に加算する規定を新設すると同時に、優良誤認表示・有利誤認表示に対して、直罰の新設をいたしました。

一部を除く主要部分については、1年6月を超えない範囲で施行することになっておりますので、政令運用基準の整備、その他必要な準備を進めると同時に、周知・広報をしっかりやっていきたいと思っております。

2件目、電気の規制料金値上げ申請に関しまして、4月27日から経済産業省から消費者庁に協議が行われ、今月2日、8日、10日、3日間にわたりまして、専門家とともに経済産業省からヒアリングを行いました。

協議プロセスの中でこのような会合を公開で行ったのは初めてで、一連のやりとりを公開したことで、消費者にもこの今回の電気料金値上げの問題点、経済産業省のスタンスなどについて理解いただいたのではないかと思います。

消費者庁として最大限迅速に対応するという思いで、会合は尋常ではないペースで開催いたしましたが、アドバイザーの皆様のご協力、経済産業省の対応に感謝申し上げたいと思います。

その中で新たな検証が行われ、例えば中国電力管内での公共入札の案件の落札者の実態から、関西電力が2018年に100件超えて落札していたものが、2019年2月以降0になっているというカルテルの顕著な影響がありました。

2019年に限ってみれば、高付加率の需要家を中心に中国電力の落札価格が高くなっていました。

あるいは修繕費や委託費にかかる調達に関して、競争入札の割合が1桁と極端に低く、特命調達が大半を占めていました。

こういう状況が確認されました。

その結果、当初、経済産業省はカルテル及び情報漏えいは規制料金には影響ないとしておりましたが、この3回の協議の中でそうした姿勢が変わり、不正事案の影響が検証されることになりました。

また、その中で電力会社全体の問題として、高コスト体質という構造的な問題を抱えていて、極めて高い特命発注率に示されるように、自由化によってもその高コスト体質が変わらなかったために、競争環境での価格競争を避けるためにカルテルが行われたということが推察されます。

そのため、カルテル及び情報漏えいの影響は規制料金にも影響があったとの前提で査定を行う必要があるということを確認いたしました。

しかし、一方で、現在の電取委の査定の方法、体質では、こうした影響を定量的に評価、推定する能力がないということも明らかになりました。

この規制料金の問題につきましては、ここで挙げられた課題の解決が前提となります。

3件目、昨年10月消費者委員会に対して、電力市場における競争環境に向けた諸課題について諮問を行っていたところ、委員会から答申をいただきました。

電力の制度は消費者にとって複雑で分かりにくいということから、電力会社や経済産業省は消費者へ分かりやすく丁寧な情報提供をすべきこと、送配電の事業者の所有権分離あるいは発販分離をしっかりと検討することがうたわれています。

さらに、今般の一連の電力会社の不正事案は消費者の信頼を失墜させたことから、各社において信頼回復に向けた最大限の取組をすべきと同時に、この電力・ガス取引監視等委員会の監視機能を強化するとともに行為規制、罰則強化を含めた更なる対応が必要だという内容です。

4件目、国家公務員制度担当大臣として、今通常国会における「国会対応業務に関するデータの集計」についてお知らせいたします。

今通常国会では、5月15日以降に開催される委員会を対象として実施いたします。

前回把握した委員会のセット日時、質問通告時刻、最終答弁作成着手可能日時、全ての答弁作成作業が終了した時間、これに加えて、質問取りの実施方法について、オンラインのレクだけでなく、対面レクの状況などについても把握したいと思います。

最終の答弁作成着手可能日時というのは、平たく言うと、最後の質問が判明した時刻ということです。

今回のデータ集計によって、国会対応業務の現状をしっかり把握すると同時に、昨年の臨時国会からどう変化したか、これを分析し、それぞれの役所の作業の効率化の好事例を展開することなどによって、この業務の改善に取り組んでいきたいと思っております。

また、今年の3月末の予算成立まで開催されました参議院の予算委員会について、最終の答弁作成着手日時、つまり最後の質問が判明した時刻を調べておりましたので、その結果をお知らせいたします。

資料をお配りしていると思いますが、この最後の質問が判明した時刻は平均すると18時24分、一概に比較はできませんが、昨年の臨時国会では19時13分であったことと比較をすると、早くはなってはいます。

しかし、最後の質問が判明した時間がもう既に定時を超えて、この時点で残業になってしまいます。

霞が関の職員からは、全般的にこの通常国会、通告の時間が早くなっているという実感があるという声も出ておりますので、引き続き立法府にはご協力をお願いしていきたいと思います。



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