原油を巡る情勢

2022.06.19

ロシアのウクライナ侵攻に端を発した原油価格の上昇は、WTI原油の5月の平均価格が109.60ドル/バレルまで上昇するにいたりました。

2022年のここまでの平均価格も98.95ドルに達しています。

21世紀に入ってからのWTI原油価格の年次平均の推移をみてみると

25.92 2001(ドル/バレル)
26.09 2002
31.11 2003
41.44 2004
56.44 2005

66.04 2006
72.28 2007
99.56 2008
61.65 2009
79.43 2010

95.05 2011
94.16 2012
97.94 2013
93.11 2014
48.71 2015

43.19 2016
50.91 2017
64.82 2018
57.01 2019
39.31 2020

67.96 2021
98.95 2022

2020年末の世界の原油生産量は8873万バレル/日、最大の生産国はアメリカで1639万バレル/日、次にサウジアラビアが1115万バレル/日、ロシア1065万バレル/日と続き、この三カ国で世界の原油生産量の4割以上を占めていました。

サウジアラビアを筆頭に、イラク、UAE、イラン、クウェート、ナイジェリア、アルジェリア、アンゴラなどOPEC諸国の生産量は世界の35%を占めていました。

ロシア、メキシコ、カザフスタンなど、「OPECプラス」と呼ばれる国々の生産量が19%、OPECとOPECプラスをあわせて55%でした。

OPECにもOPECプラスにも入らないのがアメリカ、カナダ、中国、ノルウェー、ブラジル、カタールなどで、世界の生産量の45%は非OPECプラスの国々が生産していました。

2020年度における我が国の原油輸入の筆頭は、サウジアラビアで輸入量の43%を占めています。

続いてUAEが30%、クウェート9%、カタール8%、そしてロシアが4%でした。

サウジアラビア、UAE、クウェート、イラク、アルジェリアなどOPEC諸国からの輸入が82%、中東という切り口でみれば92%を占めています。

中東依存度とOPEC依存度の移り変わりは

中東 OPEC
78 93 1973 第一次石油危機
78 89 1975
71 86 1980 第二次石油危機
69 72 1985
72 78 1990 湾岸戦争
79 80 1995
87 88 2000
89 90 2005
87 84 2010
83 84 2015
92 82 2020

インドネシアからの輸入は2005年までOPEC分、2010年以降、非OPEC分に計上されています。

2020年に輸入の8%は、中東のカタールから来ていますが、カタールは上記では2015年までOPECに入っています。

天然ガスと違って、原油は中東からの輸入依存度が高くなっています。

天然ガスの2021年の輸入先は
36% オーストラリア
13% マレーシア
11% アメリカ
11% カタール
 9% ロシア
 5% ブルネイ
 5% パプアニューギニア
 2% インドネシア
 2% オマーン
 2% UAE

国内の原油備蓄に関しては、2021年3月末時点で、民間備蓄が備蓄目標の70日分を超えて88日分、国家備蓄が目標の90日分(国家備蓄と産油国共同備蓄の二分の一をあわせた目標)をやはり超える149日分、産油国の国営会社が国内の民間タンクに管理を委託している産油国共同備蓄が7日分となっています。



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