国家公務員の業務見直しについて

2021.07.09

国家公務員の業務見直しについて

令和3年7月9日

国家公務員制度担当大臣

河野 太郎

 

(超勤手当支払いの次は仕事の見直し)

これまで、国家公務員の働き方改革については、残業の実態を明らかにするとともに、超過勤務手当の確実な支払いをお願いしてきました。

しかし、超過勤務手当を満額支払うこと自体がゴールではありません。手当をいくらもらっても、仕事のやりがいが向上するとは限りませんし、仕事と生活の両立は図れません。

大切なことは、こうして明らかになった長時間労働の実態を基に、職員がやりがいを持って、高い成果を効率的に上げられるよう、仕事の中身や働き方自体を見直すことです。

 

そこで、次の段階として、それぞれの職場において、これまでルーティン化して疑問を持たなかった業務についても、その本来の目的は何か、本来の目的に立ち戻れば業務を廃止・統合・縮小できる余地があるのではないか、引き続き必要な業務であっても、やり方を変えればもっと効果的・効率的に目的を達成できるのではないかといったことを管理職と部下で率直に話し合って考えてもらいたいと思います。業務の見直しは、幹部・管理職が取り組むべき本来の業務そのものです。

 

(ルーティン化した仕事の見直しは案外難しい)

縦割り110番や地方公共団体からの要望をきっかけに、厚労省や農水省の複数調査間の重複を改善し、相手方の負担だけでなく、各省の職員の負担の軽減にもつながりました。このように外部から「重複」と提示されれば、誰でも改善すべきと思えますが、以前からやってきた業務の“無駄”に自分たちで気付くのは、案外難しいものです。

 

実際の事務を処理する係長・係員は、意義の低下や非効率に気付いて問題意識を持っているかもしれませんが「長年やってるから必要な業務なんだろう」「法定の業務なんだから変えられない」「見直しできればよいとは思うが、見直しを行う余力がない」などと考えているかもしれません。一方、局長・課長はそういう実態を知れば見直そうと思えるし、見直す権限(法定の業務でも、簡素化やデジタル化による効率化は十分可能です)を持っていても、特にルーティン化した業務については、日常、部下がどういう部分に負荷を感じているか知らないこともよくあります。

 

(管理職と部下の率直な話し合いを。小さな見直しからでよい。)

そこで、まず、各課ごとに、管理職と部下職員で仕事の実態を話し合い、どんなに小さなことでもいいので、業務の見直しをやってみてください。見直しは、実を上げることが重要で、特にそのための会議体などを立ち上げたり、アリバイつくりのためのペーパーワークを行ったりする必要はありません。

先日、令和2年度のワークライフバランス職場表彰を受けられた職場の皆さんとオンラインで懇談しましたが、管理職が問題意識を持ってマネジメントをきちんと行うと、事務負担の軽減や超過勤務の縮減が大きく進むということを実感しました。ぜひ、局長・課長には、対象業務の選定や課題の整理を部下任せにせず、部下がどんな業務に時間をかけ、効果のわりに負担が大きいと感じているかを自ら把握して、見直しを進めるようお願いします。そして、積極的に問題提起、提案してくれる職員を高く評価してあげてください。その際、結果が出たことは小さなことでも評価し、仮に実施に結びつかなかったり、見直しに時間がかかったとしても、提案したこと自体を評価することで、次の見直しのモチベーションとなります。

 

一律にいつまでということは言いませんが、業務見直しは忙しい時ほど取り組むべきものであり、減らすべき業務をしっかり検討するようにしてください。これまでも内閣官房の「業務の抜本見直し推進チーム」が業務見直しのヒント集などの資料を作ってホームページ上で公開していますので、ぜひ、参考にして始めてみてください。また、新たに見直しの好事例のデータベースを作って提供したいと考えています。ぜひ、そちらも参考にしてもらい、自分たちの事例を内閣官房に報告し、データベースに追加して、他のところの見直しに役立ててあげてください。

 

(内閣官房、内閣人事局によるサポート)

話し合い、見直しを進める中で、一つの省にとどまらない見直しが必要となることや、情報システムの見直しなど専門的知見が必要となるような場合もあるでしょう。そういうときは、内閣官房の「業務の抜本見直し推進チーム」に相談してください。民間のアドバイザーによる助言を含め、しっかりとサポートしていきます。内閣人事局が行う管理職向け研修でも業務見直しのツール・スキルを取り上げていきます。

また、大きな見直しを行うためにはそのための体制が必要となることもあるでしょう。見直しをやりとげるしっかりとした意思が確認できれば、内閣人事局で定員面などでのサポートもしっかりと考えたいと思います。

 

※内閣官房「業務の抜本見直し推進チーム」のHPアドレス

(https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/gyoumu_minaoshi.html)



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