コロナ禍で
2021.07.24
昨年からのコロナ禍で、私の日常もずいぶん変わりました。
コロナの影響で生み出された時間を使って、いろいろな本を読むこともできました。
ワクチン接種を担当するようになって、その時間もだいぶ減りましたが、積読になっていた本も乱読しました。
その中で、ベトナム戦争に関する本もまとめて読む時間ができました。
以前、近藤紘一や開高健のベトナムに関する本を読みあさったことから、富士ゼロックス時代にシンガポールに赴任していた時、ベトナム戦争に関する本をかき集めて読みました。
その頃の本を引っ張り出したり、新しく探したりしたベトナム戦争に関するおすすめの本です。
“The Best and the Brightest” David Halberstam
ベトナム戦争に関するワシントンでの意思決定プロセスに携わった人間を浮き彫りにしたピュリッツァー賞を受賞した対策。
ペーパーバックで800ページ以上ある大作です。
ジョージタウン大学時代に買った当時の値札がまだついてましたが、$3.50!
“A Bright Shining Lie” Neil Sheehan
これもピュリッツァー賞を受賞しています。これも、790ページ。
「ベスト・アンド・ブライテスト」がワシントンでの意思決定に関する人間模様ならば、この本はサイゴンでの意思決定に関する人間模様を、ジョン・ポール・ヴァンという一人の大佐を通じて描き出しています。
著者のニール・シーハンは、デイビッド・ハルバースタムと同時期にベトナムで戦争の取材をしていました。
“A Rumor of War” Philip Caputo
上記の二冊は意思決定レベルの人物の話ですが、これはベトナムで実際に小隊を率いた海兵隊の士官が書いた本で、今やベトナム戦争に関する古典といってもよいかもしれません。
「ホーチミン・ルート従軍記」 レ・カオ・ダイ
「キッシンジャー秘録(全五巻)」 ヘンリー・キッシンジャー
ニクソン政権の戦争遂行と和平交渉の中心的な役割を果たしたキッシンジャー元大統領補佐官の回顧録です。
もちろんベトナムだけでなく、米ソ、米中、中東などさまざまなアメリカの外交の場面も出てきます。
「果てしなき論争」 ロバート・マクナマラ
ケネディ、ジョンソン両政権で国防長官を務めたマクナマラ元国防長官が発案して1990年代後半に実現した、アメリカ側とベトナム側が行った戦争を振り返った対話の記録です。
この対話には、アメリカ側からはマクナマラ元国防長官、チェスター・クーパー元大統領次席補佐官、ニコラス・カッツェンバック元国務副長官などが参加し、ベトナム側からはグエン・コ・タク元外相、ボー・グエン・ザップ将軍などが参加しています。
「アメリカの最も長い戦争(上・下)」 ジョージ・ヘリング
ジョージ・ヘリングは、上記の対話にも参加した米外交史学会の元会長。
この本は、アメリカの大学で、ベトナムに関する最も標準的な教科書として使われていました。
1950年から1973年まで、ベトナム戦争を理解するために一番わかりやすい入門書です。