財政再建に向けて

2015.01.22

自民党の行革推進本部で検討していた中長期の財政に関する報告を政調会長に提出しました。

財政の長期見通しに関して、現実的な再試算をやること
挙党体制で中長期の財政健全化に取り組むための組織を作ること
財政基礎収支に加え債務残高等ストックの目標設定をすること
社会保障を聖域なく見直すこと

の四点が柱です。

日経新聞には地方公務員の人件費の削減が見出しになっていましたが、優先順位が違います。

地方公務員の人件費に無駄があるから社会保障費の削減はそんなに厳しくやらなくとも、ということになってはいけないという指摘があります。

あくまで歳出改革の柱は社会保障改革です。

尚、これまでの政府の資産では税収弾性値が1.1のように低く設定されていました。現実には3を超えているという指摘もあります。

しかし、税収弾性値を引き上げて、だから大丈夫などというお花畑試算は慎まなければなりません。

現実的かつ保守的な試算が必要です。
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報告

2015年1月21日

自由民主党・行政改革推進本部
中長期財政見通し検討委員会

 我が国財政は、債務残高対GDP比が200%を超えるなど主要先進国の中でも最悪の危機的な水準にあり、財政健全化に向けた改革が遅れれば、金利上昇など国民生活に甚大な影響を及ぼすのみならず将来世代に巨額の負担を先送りする状況にある。

 こうした状況下で、政府は、経済財政運営に対する市場の信認や国際的な信用を維持していくため、2015年度におけるPB赤字半減、2020年度のPB黒字化を財政健全化目標としてきたところである。

 このうち、2015年度のPB半減目標については、消費税率10%の1年半延期により、予定していた1.5兆円の税収増が失われるものの、アベノミクスの着実な成果による法人税や所得税の税収増、税外収入増や歳出効率化などもあり、達成される見込みである。

 引き続き、2020年度のPB黒字化に向けて、努力していかなければならない。

 2020年度のPB黒字化目標については、経済財政諮問会議に提出された「中長期の経済財政に関する試算」(2014年7月/内閣府)において、2020年度時点で、「経済再生ケース」においても11兆円の収支改善、経済成長ペースがより緩やかな「参考ケース」では16兆円もの収支改善が必要とされている。

 このため、行革本部では、昨秋以降、本検討委員会を立ち上げ、今後の財政状況について、財政当局や市場関係者、有識者等からのヒアリングを通じて、客観的に分析を進めてきたところであり、以下その主な内容を報告する。

一、中長期財政試算の適切なやり直しを
 現在の中長期財政試算については、試算に使われている経済成長率や税収弾性値などについて、現実との乖離や客観性などの面で妥当性に疑問があり、また一方で、総選挙後の予算編成において、2015年度の税収(消費税10%引上げを含まない)が、アベノミクスの効果により、現在の試算を上回る54.5兆円と見込まれるなど、前提が異なってきている。

 信頼に足る経済シナリオに基づいたモデルによって、足元の税収増を織り込みつつ、再試算を早急におこなうべきである。

 加えて、財政健全化の議論に資する観点から、地方の歳出・歳入のデータを含めて、公表内容をより一層充実させるべきである。

二、新たな中長期計画の作成と検討のための党組織立上げを

 収支改善のためには、「中期財政計画」において示されているとおり、「歳出面においては、無駄の排除などを通じて基礎的財政収支対象経費を極力抑制」することが必要であり、聖域を設けることなく、徹底した歳出改革を行うことが不可欠である。

 その際、行革本部で行っている無駄撲滅プロジェクトチームによる各事業毎の歳出効率化に向けた努力に加え、中長期の枠組み・取組みが不可欠である。

 このため、早急に、政務調査会において、党を挙げて財政健全化について議論を行う新たな体制を設け、政治の強力なリーダーシップの下、議論を主導し、改革を国民に訴えていくべきである。

三、さらに踏み込んだ財政健全化目標の枠組みを

 財政健全化目標として、フローに着目したプライマリーバランスの2020年度における黒字化が大切なのは勿論だが、財政の持続可能性という観点からは、2020年度以降の長期的な財政状況も見据え、債務残高などストックに注目した目標を設定することも大切である。

四、社会保障を含めた聖域なき歳出構造改革を

 歳出構造改革にあたっては、国・地方ともに抜本的に取り組むべきであり、不要不急の公共事業の見直し、定量的指標の設定を徹底するなどPDCAサイクルの強化等による無駄撲滅、官民給与格差が大きいとの指摘がある地方の人件費等の経費の適正化などに取り組むべきである。

 その上で、聖域とも言われる社会保障費の伸びを高齢化に伴う伸びの範囲内に抑制していくことは避けて通ることのできない施策である。

 実際、2015年度予算における歳出の内訳において、社会保障が4割強を占めており、団塊の世代全員が75歳以上となる2025年に向かって、改革スピードを加速させる必要があり、病床の機能分化・連携促進など医療提供体制改革や薬価の見直し、後発医薬品の使用促進、社会保障の受益と負担のバランスを踏まえた重点化・効率化の徹底などを検討すべきである。
以上



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