東電はなぜ通電を止めなかったか

2013.04.09

「東京電力は5日、福島第1原発3号機の使用済み燃料プールの冷却が、約3時間にわたり停止したと発表した。3月に、配電盤に侵入したネズミの感電による停電が起きた反省から進めていた、小動物侵入対策の金網設置中、地面に漏電し、停電したとみられる」
ネズミの侵入対策のために金網を設置していたところ、金網の一部が通電部に接触し、地絡が発生、停電した。
通電部は低い電圧だったため、けが人は出なかった。
問題は、電力会社である東京電力が、なぜ、この工事をするために一時、電源を落とさなかったのかということ。
使用済核燃料プールの水温は15.1度であり、冷却が止まった時の水温上昇率は0.145度/時なので、本来は、こうした事故を防ぐために通電を止め、工事を終了させ、通電を再開すべきものだった。
低い電圧だったため、止めなかったのではないかと原子力規制庁も疑っている。
東京電力の発表は
「午後2時27分頃:電源関係の動力盤故障警報が発生し、3号機使用済燃料プール代替冷却システムが停止していることを確認」
「当該動力盤で小動物侵入防止対策工事(侵入防止網の設置)を行っていたことから、工事中に地絡を起こした可能性が高いと思われる」
なんと軽やかに、真実のまわりで踊っていることか。
東電はさらに地下貯水槽からの水漏れについても報告を遅らし、水漏れの原因についても「検知孔が水圧で広がった」などといっているが、4月9日に発覚した1号地下貯水槽は水圧がほとんどかかっていない状況で水が漏れていることから、検知孔説はありえない。
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地下貯水槽No2の水位グラフ(オレンジ線)をみると、明らかに3月10日前後から水位が一直線に下がっている。しかし、東電はこれを報告せず、4月3日の定期分析でドレン水の放射能濃度が高くなっているのを見て初めて報告した。
自民党の無駄遣い撲滅チームとして、経産省に対して、事故処理にかかっているコストの詳細の提供を求めると同時に、汚染水の処理施設にかかった費用の提出も求めた。



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