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補正予算の内容を知ってますか
2011.04.26
2011第一次補正予算について。
まず、政府案と自民党案の財源の違いを比較してみましょう。
(億円)
政府案
子ども手当の上積みの見直し 2083
高速道路無料化実験一時凍結 1000
高速道路料金の割引見直し 2500
農業戸別所得補償見直し 0
年金臨時財源の活用 2兆4897
ODAの一部削減 501
公共事業直轄負担金 551
周辺地域整備資金の活用 500
経済予備費 8100
議員歳費削減 22
国債発行 0
合計 4兆0153億円
自民党案
子ども手当から児童手当へ 1兆3000
高速道路無料化完全撤回 1200
高速道路料金の割引見直し 0
農業戸別所得補償見直し 1000
年金臨時財源の活用 0
ODAの一部削減 0
公共事業直轄負担金 0
周辺地域整備資金の活用 500
経済予備費 8100
議員歳費削減 22
国債発行 2兆2891
合計 4兆6713億円
(追加事業6560億円を含む)
政府が子ども手当の上積み分をやめるのに対し、自民党は子ども手当の6月以降の支給を停止し、児童手当を復活させます。
高速道路無料化は一時凍結ではなく完全撤回。その代わり、高速道路の料金割引は維持します。
農家の戸別所得補償は見直します。
年金財源から2兆4897億円を流用することはしません。
公共事業の地方負担金を、この段階で、被災自治体を含む自治体に求めるべきではありません。
ODAの一部削減の対象は、国際機関向けの拠出金ですが、これは補正予算で毎年秋に処理していたものが多く、今後計上される予算をここでカットすることはつじつまがあいません。
二次補正、三次補正と補正予算が今後も見込まれ、そこでは国債発行が避けられないのに、一次補正では国債を出さないというパフォーマンスには意味がありません。
歳出は、政府案、自民党案共通で、
災害救助等関係経費 4830
災害廃棄物処理事業費 3520
災害対応公共事業関係費 1兆2020
施設費災害復旧費 4160
地方交付税 1200
その他震災経費 1兆4430
合計 4兆0150億円
自民党案は、これに追加して
就学援助金の支給 500
災害救助関係費の国庫負担率100% 1750
災害復旧等公共事業の国庫負担率100% 1200
電力需給対策 980
中小・小規模企業対策 900
災害臨時交付金 1130
消防基金の上積み 100
合計 6560億円
被災した児童・生徒に対する一定の支援をするための基金を創設します。
厚生労働関係の災害救助費負担金や災害弔慰金などと国土交通関係の災害復旧等公共事業の国庫負担率100%として、被災した自治体が負担しなくて済むようにします。
この夏の電力不足対策として、自家発電設備の導入補助と業務用ビルへのガス冷房の導入補助を推進し、夏のピーク電力供給を上積みします。
中小企業の工場の復旧を支援します。
被災した自治体の財政が極端に悪化しないように災害臨時交付金を創設し、生活支援金の給付や消防基金の上積みなどができるように地方交付税で措置をします。
菅総理の原発対応がどうだったかということよりも、補正予算の内容がどうなのか、財源はどうすべきなのかという議論をもっと国会でやりましょう。その方が大切だと思います。