The World according to China

2010.11.15

米日財団主催の会合が上海で開催され、アメリカ、日本の中国の専門家と中国の国際政治の専門家が会議に招かれる。

以下は、中国側からの意見。

日本は首相がころころ変わりすぎる。菅内閣もあとどれぐらい続くのかわからない中で、菅内閣との間にコミュニケーションの窓口を作る努力をすることに価値があるのか。

民主党政権になったら、歴史問題をはじめ、いろいろな意味で関係が改善するかと思っていたが、菅首相は前原外相のタカ派的な発言に対して何もアクションをとろうとしていないように見える。

よく中国の台頭とアメリカの没落がアジアでの緊張を生んでいると言われるが、それは違う。中国の台頭と日本の没落がアジアの緊張を生んでいる。

尖閣諸島事件のあと、一般国民の交流まで停止する必要はなかったはず。中国政府はそれだけ追い詰められていた。

中国は、アメリカとの関係において、力も地位も上がったことによる余裕が生まれている。
台湾や領土問題に関して、中国政府がアメリカ政府に対してきちんとした対応をとるべしという大衆の圧力がある。

現在の米中関係は天安門事件のように中国が弱い立場にいたときに形成された。もっとアメリカと対等の関係を築いていくために、中国は積極的な行動をとるべき。

中国から見るとアメリカは、中国はもっと協調的になるべきだと言いながら、台湾やチベットの問題に関してアメリカは何も変わろうとしていない。地域で中国とバランスをとるためにインド、日本、ベトナムを使おうとしている。

中国は対米関係において、台湾やチベットといったコアな問題では強く出る。経済的な面では現実的な協調が可能だ。例えば為替問題で中国が譲る代わりにアメリカが中国への技術供与の制限を無くしていくなど。国際的な問題ではもっと米中の協調が必要だ。中国はこれから国際的な役割が増えていく。だが、それはアメリカに追随することではない。

世銀の投票権の問題では後ろ向きのヨーロッパをアメリカが説得して、中国の地位が向上した。これからもっとこういうことが起きてくるだろう。

アメリカが相手にしてきたこれまでの成長国は、完全な敵(ソ連)か、完全な子分(ドイツ、日本)のどちらかであり、中国のようにそのどちらでもない国が台頭し、その相手をするのは初めてで、経験がない。

アメリカは、力と価値観で中国に勝っていると思うために躍起になっている。しかし、中国の台頭に脅威を感じている。そして、何でも中国が悪いと中国のせいにしたがるだろう。

中国は、中国の意図することを明確にしながら、きちんとアメリカとコミュニケーションをとることを学び、アジアや世界における中国の役割や責任を重く感じていかなければならない。

米中関係は単なる二カ国関係ではなく、国際関係を作っていく関係だ。

アジアでは、台湾、韓半島、南シナ海という伝統的な安全保障の問題(台湾はもはや問題ではないという発言あり)に一つ一つ対応しながら、新しい非伝統的な安全保障の問題に対応するための地域的な枠組みが必要になってくるだろう。中国はその中心になっていく用意がある。

アジアでは、日本、韓国、インドなど経済的には中国と非常に強い関係がありながら、アメリカとの絆の方が依然として強い国がある。このパラドックスは、これからの戦略的な思考家におもしろいテーマを提供していくだろう。

中国も経済に国家が強く介入しすぎている、資源経済に関して中央政府が地方政府を押さえすぎている、収入の格差が激しいといった問題を抱えている。

これまで二度、ある程度の政治的な改革が必要だという議論があった。しかし、最初の時はポーランドの民主化運動を見て、危険だと判断された。二度目は天安門事件につながってしまった。現在の汚職と経済格差が政治的な改革の必要性につながる可能性はある。しかし、それはあくまで党内の民主的な手続きということ。

党が軍を支配しているのは間違いない。しかし、政府内では軍とそのほかの機関の関係でいろいろな問題がある。例えば、外務省は中国政府内では極めて地位が低い。政治局員もいなければ、副首相クラスでもない。

軍と外務省の意見が違ったときに、軍は外務省に平気で挑戦できる。

党は、高級将校の人事と予算で軍を支配している。軍はかつて自らビジネスを行っていたが、これを許すと汚職の他に、予算で軍を支配できなくなることから、軍のビジネスへの介入は押さえられている。

台湾が問題でなくなってきたことから、軍は新たな予算要求の根拠を必要としている。



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