歴史的な小さな一歩

2010.11.16

今日、国会で、歴史的な小さな一歩がしるされたが、誰か気づいてくれただろうか!?

補正予算が衆議院を通過する目処が立ったことで、決算行政監視委員会も動けるようになった。

当初は前の晩から引き続き朝の4時過ぎまで補正予算の本会議、朝8時50分から決算行政監視委員会の理事会、9時から委員会、11時に採決、午後1時から本会議4時間という日程が組まれていたが、与野党国対の妥協が昨晩の本会議の最中に成立、夜11時で本会議が打ち切られ、予算委員会だけ夜中の12時までやって終了になった。

決算行政監視委員会は予定通り、朝8時50分理事会開会。民主党の理事がそろわない。通常国会の経産委員会で塩崎筆頭理事の次席を務めた平理事が、「塩崎さんなら野党理事が定刻にそろわない時点で理事会を流会にしてましたよ。河野さんは優しいから怒らないけど」。はい、私は優しいです。

日本国憲法第七章(財政)の第八十七条は、「予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基づいて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない」。

第九十条は、「国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める」。

つまり、予備費は「事後に国会の承諾を得なければならない」が、決算は「国会に提出しなければならない」という憲法上の違いがある。

だから予備費は「議案」扱いで、財政法第三十六条第三項に基づき衆議院先議となり、衆議院が審査の上、承諾すれば参議院に送付される。

決算は、「議案」ではなく内閣による国会への「報告」としてとらえる説が有力であり、委員会及び本会議では、決算そのものを議決するのではなく、決算を審査した決算行政監視委員会が「議決案」を作成し、その「議決案」に賛成するか反対するかを議決する。

この決算の「議決案」は、委員長の指示で各会派の議決案担当理事が作成することになり、民主党は柚木理事、自民党は平理事、公明党は東理事が担当する。

今日の決算行政監視委員会では、まず、平成二十年度の予備費が審議されて、委員会では民主党を含めた総員賛成で承諾された。

政権交代したら、前任の内閣の予備費や決算を全て否定するのではなく、その使われ方が法律的に正しいか、効率的であったかという観点から審査して、問題なければ承諾するという政権交代を前提とした決算のあり方の前例を、民主党の三日月大造筆頭理事と作ろうとしてきた。どうやら、それができつつあるのではないかと思っている。

本会議で予備費が可決され、三日月筆頭理事とがっちり握手。

与野党のけんかだけがニュースでクローズアップされがちだが、実は与野党の共同作業も、目立たないかもしれないが、しっかりと行われている。



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