すぐそこにある危機

2010.11.19

今日、参議院の予算委員会で補正予算の審議がスタートした。

19日、22日と審議が進み、24日が締めくくり総括。そこまでに柳田法相と仙谷官房長官が罷免され、交替すれば予算審議もスムーズに進む。

それがなければ参議院自民党執行部は、締めくくり総括の最中に、官房長官以下の問責決議案を出す構えだ。

問責決議案が可決されても、衆議院の不信任案と違って閣僚が自動的に更迭されることにはならない。しかし、問責した閣僚が出る審議には応じられなくなるので、予算委員会以下の審議が止まる。

臨時国会の任期を12月半ばまで延期すれば、補正予算は自動的に成立する。

問題は、予算関連法案、給与法と地方交付税法だ。予算は自動成立しても関連法案は参議院が可決しなければ法律にならない。

もし、関連法案が成立しなければどうなるのか。

給与法が成立しないと人事院勧告通りの1.5%の公務員給与の削減ができない。しかし、実は補正予算には、この削減が盛り込まれていない。

もし給与法が成立すれば、削減された人件費の額が予算の不用額になる。

もし給与法が成立しないと、給与は引き下げられない。12月1日が基準日となってボーナスも支給される。この場合、通常国会に、半年分さかのぼって人事院勧告が適用される給与法が提出され、夏のボーナスから半年分さかのぼって削減分が引かれる。

地方交付税法が成立しないと、約1兆3千億円の地方交付税増額分が年度末に特別交付税として全額、地方に配布される。

成立すると、1兆3千億円の地方交付税増額分のうち、約3千億円の地方交付税が年末に自治体に配布される。残りの1兆円は来年度の地方交付税となる。

地方交付税法が成立しなければ、自治体は約1兆円余計に地方交付税を今年度にもらえることになるが、時期は年度末までずれ込む。しかも、そのときには総務省は、約1兆円分は来年度の交付税財源のはずだから、その分はとっておいてくださいと「口頭」で各自治体にお願いすることになるかもしれない。

成立すれば、額は約3千億円だが、年末にも各地方自治体に配られる。残りは来年度の交付税の財源になる。

だから予算さえ通れば、いろいろとごたごたするが、補正予算はなんとかなる。

問題は、来年度予算だ。公債特例法が通らなければ、歳入が足りなくなる。予算が衆議院を通過して自動成立しても、資金繰りが立ちゆかなくなり、国債市場はどうなるか神のみぞ知る状況になる。

だから、与野党の協議が必要だ。まず、与党は、自民党の財政健全化責任法案を受け入れて、プライマリーバランスの赤字を五年で半減、十年でゼロを目指すことを与野党で決める。

消費税を5%上げ、子ども手当、農家の戸別所得補償、高速道路の無料化をやめる。法人税引き下げの税収の穴を公務員人件費の削減で埋める。社会保障の見直しも与野党で始める。

経済成長が始まれば、税収が約1.2の弾性値で増えていくが、金利も上がるので国債費が増える。その負担分は、事業仕分けで歳出を削減して充当する。

ということをきちんと与野党で議論して、来年度予算をお互い妥協して、策定していかなければならない。

官房長官も法務大臣もアホかもしれないが、政治はまず、国家経済と財政を安定させなければならない。与党は案を作る人、野党は批判する人という時代は終わった。与野党で、ベストの案を作る時代だ。

政治家が国民のために仕事する姿を国会中継で見てもらおうではないか。



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