大磯茶会
2010.10.30
お茶会で席主を務めた。
河野太郎がお茶会の席主だなんて、雨が降らないといいけどねと言われたが、台風が来た。台風が来て、東海道線が止まり、ベルマーレの試合が中止になった。みんな僕のせいだ。
ことの起こりは宗偏流の家元からのお誘いだった。今年の春に、毎年秋に行われる大磯茶会で一席持ちませんかと言われ、はあ、と目が点になる僕に、大丈夫、大丈夫、やってみましょう。
おだてられて木に登って、てっぺんから飛んだ!
茶道に通じた人、お茶に詳しい人だけがお茶会に来るのではなくて全く新しい人たちにお茶会に来てほしいという家元の思いから、河野太郎のお茶席ってどんなだろうと思って一人でも来てくださればそれでいいからということのようだった。ま、半年先のことだからと思っていたら、あっという間に今日。
きものなんか七五三以来着たことないのに、足袋はいて、着物着て袴を着け、扇子を持つ。そりゃ、台風来るよな。
テーマは「和」。宗偏流の家元の下でお点前を学んでいる小学校二年生から小学校五年生までの子供たちに、お点前、半東、お運びをみんな交代でやってもらい、席主は(足首が伸びなくて正座できないので)いすに座ってお相手をする。
いや、結構練習しました(子供たちは。席主は一度だけ!)。
お客様が部屋に入られると、着物着てすました半東さんがお菓子をどうぞと部屋に入る。小学生が入ってくるので、みんなちょっとびっくりする。そして例えば小学校二年生の女の子が着物姿でお茶を差し上げますと部屋に入る。みんなかなりびっくりする。
ここでようやく席主登場。ご挨拶していすに座る。
今日の子供たちは二歳からとか幼稚園の年中からお茶始めましたというような子供もいて、みんな落ち着いている。朝一番の席では、お点前をやっている女の子にお名前はとか、年はいくつとか直接、質問が飛び、それに彼女自身が答えながら淡々とお点前が続く。見ている僕の方がどぎまぎした。
床の間の問答もお軸から香合までは半東さんが担当する。お花が浜菊、照り葉、吾亦紅なんだけど、ワレモコウというのが子供たち苦手みたいで、ちょっと油断するとワレモナカになってしまうのが愛嬌なんだけど。
全部で八席。最初の席をやっている時は絶対に終わらないと思ったけれど、終わってみればあっという間。子供たちも水屋ではキンチョーしてるなんていっているけれど、みんな堂々とやってくれた。
というわけで、たぶん誰も興味ないかもしれないけれど、会記代わりに。
平成二十二年十月三十日 松月 大磯茶会
薄茶席 席主 河野太郎 宗偏流 山田宗里 名月会
床 義隆 「和」
花入れ 白安南 唐人傘
花 季のもの (浜菊、照葉、吾亦紅)
香盒 大亀 疎安
風炉 唐銅面取朝鮮
釜 菊霰真成 (菊地紋) 道爺造
風炉先 金更紗
水壺 黄瀬戸 立鼓
薄茶盛 一閑 薬器
茶? 唐津
替 蝶鳥之画 和全造
茶杓 四方斎 弁財天
蓋置 モール
建水 唐銅 与兵衛造
御茶 森の白 星野園詰
菓子 江の島最中 芝栄太郎製
器 稲穂蒔絵高坏
煙草盆 朱
火入 志賀 魚紋
煙草壺 松舎利蓋
煙草 四方斎好
こうやって書くとなんかすごそうだが、お家元にご用意をいただいたもので、朝一番に必死で覚えた。
こんなことは家元から誘われなければ絶対に無かったことで感謝。
子供たちと今日、お手伝いいただいた皆様に感謝。
夜はベルマーレと思ったら、台風で中止。今日ぐらいは家でゆっくりしよう。