民主党が埋めた地雷

2010.10.27

民主党政権は、着々と公務員制度改革を骨抜きにしている。しかも非常に巧妙に、わからないようにやっている。

今年の6月の退職管理基本方針は有名だ。
独立行政法人の理事は原則公募することになっているが、官僚が現役出向する場合は例外扱い。局部長級の専門スタッフ職なるものを新設して幹部を役所の中に居残りさせ、官民交流という美名の下に民間企業に官僚を押し込む。

このことについては、経産省の古賀さんの指摘などもあり、民主党政権による公務員制度改革つぶしとして有名になってきている。

ところが、同じ日に閣議決定された「人事管理運営方針」にはまだスポットライトがあたっていない。これは毎年出るから、注意を引きにくい。

この「人事管理運営方針」の新旧対照表を見てみよう。

平成21年度版
「民間との間の人事交流については、『官民人事交流推進会議』等の場を通じ、官民の連携・協力の構築に努めるとともに『官民人材交流推進ネットワーク』の活用を図る。」

これが22年度版では
「民間との人事交流については、官民のネットワークによる連携・協力関係の下で、企業・府省間の交流希望情報の交換等を行うことにより、『官から民』、『民から官』の双方向の推進・拡大に努める。」

「企業・府省間の交流希望情報の交換等を行うことにより」というのが肝だ。官民交流を天下りの代わりに使い、しかも交流希望情報の交換等だといって堂々と民への『天下り』の斡旋をできるようにこの一文が盛り込まれたのだ。後から効力を出す霞ヶ関文学だ。

そして今年8月16日に人事院人材局が出した「官民人事交流関係人事院規則の一部改正等について」がまた、くせものだ。

もともとこの官民交流は、「国と民間企業との間の人事交流に関する法律」に基づき、若手官僚の人材育成のために行われるものである。繰り返すが若手官僚の人材育成のために行われるものだ。

ところがこの8月16日の改正で、なんと本省庁の部長・審議官も交流していいよということにしちまった! あきらかに法律の意図する人材育成にはあてはまらない。なりふり構わずだ。
しかも、所属する局と所管関係になければ、所属する省の所管する民間企業へも天下り、じゃなかった官民交流できることになった。

しかも人事院は、部長・審議官の官民交流を「適切に運用するために」、「運用上」次のような措置を行うこととした。

交流から帰ってきた職員を勧奨退職させたり、その職員が自己都合退職後に交流で行った先の企業に就職してはいけない。

つまり、霞ヶ関文学では、定年直前に一度役所に戻ってきて、「定年退職」したら、その民間企業に戻っていいよということだ!!

さらに、「交流派遣の成果を公務に十分還元したと認められるときはこの限りではない」。要するに、民間企業での経験をまとめてレポートにでもしたら、「成果を還元した」ので例外にできる。

さらにこのルール自体が、規則ではなく「運用上の措置」なので、そのうち無くなる可能性が大きい。もうめちゃくちゃ。

さらに、まだ、人事院を使った隠し球がある。
平成25年度以降、公的年金の支給開始年齢が引き上げられるので60歳から無収入になる期間が発生することになり、定年延長に向けた制度の見直しが必要だとしている。

平成25年度から3年に1歳ずつ段階的に定年を引き上げると、はっきり、くっきり定年の引き上げを謳っている。民間は、この部分は圧倒的に再雇用で対応しているではないか。なぜ、再雇用を検討せずに、いきなり定年の引き上げのみを打ち出しているのか。

しかも、それに伴った給与制度の見直し、つまり給与の引き下げに関しては、必要な見直しを検討するといきなり曖昧。公務員制度改革基本法では、この二つはパッケージでやることになっていたが、民主党政権は、じわじわとこの二つを分け始めている。

これだけのことを陰で仕込んでおいて、天下りより現役出向の方がよいと答弁するのは、前原大臣、よっぽど官僚にころっとだまされているのか、よっぽど国民を瞞そうとしているのか。

民主党の公務員制度改悪、まだまだ、その追及は始まったばかりです。



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