破り捨てられた約束

2010.05.27

二年前に、自民党でJICAの事業仕分けをやってから、JICAの箱根の研修センターと称する保養所の問題や株式会社の体裁を取りながら株の持ち合いをやって、天下りさせ放題の関連会社の問題などを指摘してきた。

検討中の環境社会配慮ガイドラインも、JICA内に面倒くさいのはいやだから、なるべくいい加減なものにしようという不埒な動きがあり、これも原科先生をはじめ関係者のご協力で阻止できた。

すると、JICAから、ODAに関しては国民の理解を得るためにもまじめにやらなければならないと思っているし、環境社会配慮ガイドラインの適切な実施や天下り根絶をはじめ、心を入れ替えて、やれることは自らきちんと襟を正すと宣言してきた。

それならば、しばらく静観していましょうと、JICAの自浄作用に期待していた。

しかし、そうしたJICAの約束は全部嘘だった。

環境社会配慮ガイドラインができて、それに基づいて、環境社会配慮助言委員会を設置することになった。

定員二十名だが、公募をかけると、十六名しか応募はなかった。

その十六名の内、四名の応募書類をJICAは勝手にボツにして、委員会のメンバーを選ぶ選考委員会には残りの十二名の書類だけを見せた。結果、十二名は全員、助言委員会のメンバーになった。

JICAは、助言委員会の公募をするときに、『中立性』なる文言を勝手に入れ、応募してきたNGOの関係者は中立でないからと、選考委員会にかけることなく落とした。

JICAのプロジェクトに金銭的に絡んでいる者が「中立でない」というならば、話はわかる。しかし、今回、中立でないとJICAが勝手に判断したのは、ODAを実施する地域の住民の声を代弁しかねないNGOは中立でないという理由だ。

つまり、JICAのプロジェクトの問題点を指摘しそうな人は、中立でないという理由を付けて、委員会に入れないようにしようということだ。

説明責任も透明性もない。しかも、JICAは、NGOも中立性という公募の文言には同意していた等と説明するが、同意したというNGOはまだ見つかっていない。

JICAからの内部告発によると、助言委員会の選考委員長から原科教授をはずすという動きがあったようだし、財務省系列の円借款組は、環境社会配慮ガイドラインがまともに機能されたら仕事がやりにくくて大変だから、骨抜きにしようと盛んに画策しているらしい。

JICAに自浄作用がないことがはっきりした。「しばらく静観」などしていたら、この組織は何をするかわからない。JICAのすべてのプロジェクトと天下り先を含めた管理体制の事業仕分けをすることにした。

結局、今のODAは、実施部隊がこんなものだ。国民の税金を使って、世界のために貢献しているなどという気持ちはさらさら無い。利権と化したODA予算を『消化』しようとしているだけで、それがどれだけの効果をあげたかとか、国民にどう説明しようか等と考えている関係者は幹部にはいない。現場はかわいそうだし、予算は無駄だ。このままならば、ODA予算は大幅に削減するべきだ。



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