DNA鑑定その2

2009.06.25

DNA鑑定に対する自民党内の抵抗とはどういうことか。

国籍法の問題が生じるまで、DNA鑑定が問題になったのは、民法772条問題だった。

婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する、という民法772条の規定により、離婚後300日以内に生まれた子供は前夫との子供になる。

しかし、離婚が増えるに従って、現実には前夫との子供でない子供が生まれるケースが増えてきた。出生届を出すと、前夫との子供になってしまうため、母親が届けを出さず、結果として子供が無戸籍になってしまうケースも出ている。

そのため、DNA鑑定で新夫との親子関係を証明できれば、新夫との子供として戸籍に載せられるようにしようという民法の特例法が検討されたが、その際に、自民党内の一部から、そんなことをすれば夫婦の浮気を奨励するようなことになりかねないと、DNA鑑定で親子関係を認めることに強い反対意見が出された。

また、仮に代理母による出産が行われた場合、現在では出産した女性が戸籍上の母親になる。しかし、代理出産を認めようとする立場から、DNA鑑定をすれば真の親子関係が明確になるので生物学上の母親(卵子の提供者)を戸籍上も母親と認めるべきだという意見が出され、これまで通りの戸籍の取り扱いを続けるべきだという意見と対立している。

DNA鑑定に反対派は、日本の家族関係とは単なる生物学的な親子関係だけではないと主張してきた。
そして、反対派は、国籍法の問題でDNA鑑定を導入すれば、民法772条問題や代理出産問題にも影響が出ることをおそれ、消極的だ。

改正国籍法の問題は、全く事実に基づかない誤った情報やそれに基づいた誹謗中傷が流され、議論が混乱していた。しかし、施行後の状況も明らかになりつつあり、補正予算で設備の問題が解決するならば、そろそろきちんとした議論ができる状況になってきたのではないか。



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