昨日の結果を受けて

2009.06.09

補正予算に盛り込まれた独立行政法人国立美術館による国立メディア芸術総合センター整備事業(117億円)と独立行政法人科学技術振興機構(JST)による産学連携拠点整備事業(659億円)の予算について、昨日の政策棚卸しの結果を踏まえて、保利政調会長と園田政調会長代理に河野チームで申し入れを行う。

両事業とも文科省の説明は全く不十分であり、現状のまま事業を始めることは不適当であると申し入れる。
保利政調会長から文科省に、世の中が納得する説明を準備するように指示が飛ぶ。

メディア芸術総合センターは、コンテンツ産業の振興のために必要だという意見もある。
しかし、その意見は違うといわざるを得ない。なぜならば、このセンターが何をやるのかが明確ではない、だから、このセンターがコンテンツ産業の振興に役立つかどうか、判断はできないのだ。

XXは***の為に必要だ、ということはよくある。そして、そのままXXに予算がついてしまうこともよくあった。しかし、問題はXXの中身である。これまでの箱物の無駄は、XXの中身をチェックすることなくそのイメージに踊って予算がついたことによる。

このセンターがどういう機能を持つ物なのか、そのための経費(117億円は建物と土地の費用だけである)は今後、いくら必要になるのか、それによってどういう効果が期待されるのかということがきちんと説明され、それに納得がいけば、予算をつけるというプロセスが必要だ。

それを文科省はきちんと説明し切れていない。後年度負担に関しては、めちゃくちゃである。だから現状で、このセンターがコンテンツ産業の振興に必要なのだとは決して言いきれない。

金額でいえば、このセンターの五倍もするJSTの産学連携拠点整備事業は、もっとしっかりとした説明が必要だ。すでに、JSTが同じ目的のための拠点を保有しているだけでなく、経産省傘下の独立行政法人中小企業基盤整備機構や都道府県も同じような施設を持っている。それなのに、なぜ、47都道府県にまた、同じような施設をつくる必要があるのか。後年度負担の説明も具体的ではない。

メディアは国立マンガ喫茶のほう一色だが、JSTのほうが実は問題が大きい。
わかりやすいものに飛びつくのは仕方ないかもしれないが、せめてどこか一社ぐらい、我々の棚卸しの結果を丁寧に説明をしてくれるところがあってもよいのではないかと思う。

特にこの二つは、補正予算を提出する前の主査としてのヒアリングで、必要性が説明できていないことを指摘し、チームでのヒアリングでも説明ができず、棚卸し本番でも説明ができない。
これからも結構大変だと思う。

昨日の棚卸しは、結果はよかったと思うが、座長として、棚卸しのプロセスは見直さなければならないと反省。

わざわざ仕分け人全員の前にマイクを用意していただいたのだが、これが失敗だったかもしれない。これまではしきり役が指名して、ワイヤレスマイクを回しながら一人ずつ意見を述べていった。ところが今回は、目の前のマイクで意見を言える。どうしても座長の発言が多くなる。
ワイヤレスマイクを回す間が微妙なためになっていたのと、いろんな人の発言があって、意見の強弱がうまく中和されていたのだと思う。どうも昨日は、レベルグラウンドでの議論になっていなかったかもしれない。

もう一つは、説明の直後に、座長として僕がまず発言して、議論の方向性を決めていったため、それに議論が引きずられてしまった。ソフトウェア情報センターの議論は、本来、ソフトウェアや半導体回路の登録システムの是非を議論するべきだったかもしれない。でも僕の発言に引きずられて、その議論に発展しなかった。

本来は、説明の後、やはり質問事項から入るべきだったかもしれない。ただ、そうすると、所定の時間でどこまで深掘りできたかというと、昨日の結論にまで持って行けなかったかもしれない。
一つのテーマの時間を延ばすと、一日で数をこなせない。
正解はないのかもしれないが、次回は、ワイヤレスマイク方式に戻してみよう。

メディアも現場を見てくれれば、もう少し、今日の質問も違ったものになっていたかもしれない。プロセスを飛ばして、結果だけというのは、ヒアリングに数十時間かけてきただけに、不満も残る。



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