六カ国協議の合意の実現に向けて

2007.02.15

六カ国協議。
合意にはウラン濃縮は含まれず、既存の核についても不明で、北朝鮮と五カ国の解釈は違っているようだが、それでも一歩前進。
今後、あやふやなところをどう詰めていくかという問題は残るが、この合意に関して、日本が全くエネルギー支援を行わないということでよいのだろうか。
北朝鮮の核は現在ではミサイルに載らない。しかし、数年あれば小型化は可能かもしれない。そうなると日本を射程に入れる核兵器搭載のミサイルを北朝鮮が持つことになる。これは日本の安全保障にとって極めて問題がある状況だ。
北朝鮮の核兵器が、中国やロシアを狙って配備される可能性は低いだろうし、韓国が太陽政策を採り続ける限り、韓国を狙う必然性も低い。アメリカと核戦争をやる能力は全くないことも考えると、北朝鮮の核は日本にとって一番の危機になる。

日本は、まず、北朝鮮の核とミサイルのプログラムをどう押さえ込むかということを真剣に考えなければならないし、それが日本の対北朝鮮外交の最優先事項でなければならない。
六カ国協議で、核兵器の開発にブレーキをかけ、あるいは開発を後戻りさせることができるならば、日本は積極的にそれを支援するべきだ。
もちろん、拉致被害者のご家族が拉致問題の解決を最優先にと主張されるお気持ちはよくわかるが、政府として、北朝鮮の核兵器の開発を押さえることが最優先事項であるはずだ。
拉致問題の解決は、日朝の国交回復の大前提であるし、六カ国協議の合意事項を実現するための支援と拉致問題に関する経済制裁は相反するものではない。しか し、拉致問題の解決がないからといって北朝鮮の核兵器の開発を止められる可能性のある合意の実現に日本が努力しないわけにはいかない。



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