2004年8月25日号

2004.08.25

シリアのダマスカスから帰国しました。
日本と中東の政治的な交流を始めたいと、二年前から日本の国会議員と中東各国の政治家の会議を開こうといろいろと準備をしてきました。
レバノン人のスタッフも採用し、昨年夏にベイルートで第一回目の会議を開催する予定が直前に政治的な理由でボツになり、今回はシリアのダマスカスでの開催に向けて一年間準備をしてきました。
おかげさまで、今回、JALN(Japan-Arab Leadership Network)の第一回目のForum for the Dialogueが成功裏に開催されました。

バーレーン、パレスチナ、UAE、アルジェリア、レバノン、モロッコ、ヨルダン、スーダン、イエメン、カタール、シリア各国から17名の代表が参加し、日本からは山本一太、林芳正、世耕弘成、小林温の各参議院議員と河野太郎の五名が出席しました。
サウジアラビア、エジプト、クウェートの三カ国は参加を表明していたものの予定していた代表のやりくりがつかず、次回からの参加になりました。
今回の開催はシリア議会とArab Inter-Parliamentary Unionの全面的な支援の下に開催できました。

8月19日
成田発

8月20日
早朝ダマスカス着
11:00 ゴラン高原視察
20:30 歓迎夕食会

8月21日
09:30 オープニングセッション 基調講演
      ブシュクシュ AIPU事務総長
      河野太郎 日本代表団長
      アブラシュ シリア議会議長
11:00 第一セッション 政治課題その一
13:30 昼食
16:00 第二セッション 政治課題その二(山本一太議長)
20:30 アブラシュ シリア議会議長主催夕食会

8月22日
08:30 アサド シリア大統領との会見
10:00 第三セッション 経済社会課題(小林温 共同議長)
13:30 シリア議員主催昼食会
18:00 サウジアラビア財界人との会合
19:00 シリア商工会議所とのセッション 観光課題
21:00 ブシュクシュ AIPU事務総長主催夕食会

8月23日
10:00 パルミラ視察

8月24日
早朝ダマスカス発

8月25日
成田着

日本と中東の政治レベルでの交流の薄さはこちら側だけではなく、中東側も気にはしていたようで、今回の会議は大成功でした。
会議の初めは公式見解を書いた文書を読み上げていたメンバーもたくさんいましたが、途中から本音がびしびしと出始め、日本のイラク出兵についても建て前で始まった議論から本音が飛び交うものに発展するのに時間はかかりませんでした。
アメリカとの同盟関係を持ち、イラク出兵までした日本ならば、アメリカの意思決定に影響を及ぼすことができるだろう、また、ODAと経済力で中東経済を支援してくれるだろうというのが中東の日本への期待でした。
ダマスカスのこの会議を開催するために都合四回中東を訪問しましたが、来年はぜひ我が国でやりたいという申し出が殺到し、収拾がつかないありさまになりました。
次回は日本で、二年後はヨルダンで、ということに暫定的に決めました。

ゴラン高原では自衛隊の活動ぶりを見せて頂き、パルミラにあるパルミラ博物館では日本の技術者がODAで贈られた陳列ケースやAV機械の組み立てに取り組んでいました。
日本も地道に中東問題に取り組んでいます。
しかし、パルミラのODAには問題が山積していました。
その場でのヒアリングだけで、四面がガラスの大型陳列ケースは、博物館の中での置き場所が限られる、年間の運営予算が1000−2000万円という博物館に大型のプラズマテレビが置かれ、しかも、CDの接続をという要求に対し、VHSしか接続できず、ソフトを現地では作れない。シリアではあまり使われていないMD用の機械が入れられている。博物館の説明用の機械はハードウェアはそろっているものの各国語の展示説明のようなソフトの予算はない。
どういう経緯でこの品物が送られているのか調べる必要を感じました。
さらに問題だと思ったのは、現地の日本人に疑問について質問すると、「本当のことを言ってもよいのですか」とまず、尋ねられました。ODAについては本当のことを言わないことになっているようでした。

今回の会議でも若手の英語ができる参加者は昼食、夕食などを通じて、すぐに仲良くなり本音の議論に入ることができました。
各国とも次回以降は若手で英語のできるメンバーを送ると約束してくれました。(今回も会議は英語でという予定だったのですが、結局、英語、アラビア語の同時通訳になりました)



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