2003年1月23日号

2003.01.23

議員立法つづき。
大航海時代からの慣行で、船はそこに立っている国旗の国の領土であり、船上の出来事には旗国の法律が適用される。
オイルタンカーの時代になり、船から発生する環境問題に関しては、事故地、寄港地の法も適用される。
基本的に、国際的に、船は、どこの国でも入港は自由。国交のあるなしは問題ではない。(ただし、国防上の理由や港の能力の問題から、各国は、自国の港を開港と不開港に分けることができる。ただし、開港とされた港には、内外無差別の原則が適用され、船の安全及び船から派生する環境問題以外の理由で入港拒否はできない。国籍による選択的な入港拒否は航行の自由に反する)
交戦中でも病院船、赤十字旗・白旗を掲げている船を攻撃することはできない。
無害通行権は、公海だけでなく領海にも適用される。ただし、内水は別。(空は原則として無害通行権がない)領海から内水を経て開港に入港する場合は内水を通行できる。
国籍を名指しして、自国の港に入港拒否をした例はおそらくない。つまり、海の自由航行の慣行は非常に強い。
現行法の解釈では、国籍を特定しての入港拒否はもちろんできない。
現行法を改正して、入港拒否をしようとすることは、現行法の目的と合致せず、新たな特例法が必要。
が、来年7月1日から海上人命安全条約(SOLAS条約)が施行され、テロのおそれがある場合などに特定の船の入港拒否、または退去命令を出すことができるようになる。歴史上、船の入港を拒否することができる初めての国際的な根拠となる。ただし、明白なテロのおそれ等が要件となり、国籍による指定や根拠のない入港拒否はできない。
アメリカが貿易上の理由で、特定の国の船の入港に課徴金をかけた例はある。
保険に入っていないことを理由に入港を認めていない国はある。

結論から言って、航行の自由という大原則に抵触する覚悟で、我が国の国民に極めて重大な危害を加え、その事実を当該国の政府が認めた国の船のうち、日本政府が特に指定する船の入港を拒否することができるという新規立法を議員立法で行うのが良いのではないか。ただし、国際的な非難を浴びる覚悟は必要。ただし、極めて重大な問題が発生しており、しかもそれを政府が認めるという極めて異例の事態にのみ適用されるものであるということを説明する必要はある。国籍を名指しすればWTO等に引っかかる可能性もあるため、国籍は書けない。
要するに、北朝鮮が気にくわないからバンケイホウ号を入港させるな、という程度の簡単な問題ではない。



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