ガソリン税および軽油引取税の暫定税率廃止の裏側

2025.11.06

ガソリン税及び軽油引取税の暫定税率廃止の六党合意(自由民主党党、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、公明党、日本共産党)が成立しました。

以下、その合意文書を解説します。

 

1.物価高への対応として、ガソリン及び軽油の価格を引き下げるため、ガソリンに対する補助金を25.1円/Lまで、軽油に対する補助金を17.1円/Lまで、令和7年11月13日から2週間ごとに5円ずつ引き上げる。これにより、ガソリンは12月11日に、軽油は11月27日に補助金の金額をいわゆる暫定税率(当分の間税率)の廃止と同水準とする。

『解説 補助金を5円ずつ増やしていくことにより、12月11日より、ガソリン価格は暫定税率廃止と同じ水準になります。』

2.そのうえで、1.のガソリンに対する補助金に代えて、揮発油税・地方揮発油税の暫定税率を令和7年12月31日に廃止する。その際、沖縄県については、これまでの経緯や地域の実情を踏まえ、本則税率の軽減措置を講ずる。

『解説 暫定税率が「12月31日に廃止される」ということは、12月30日の深夜をもって、暫定税率がなくなり、12月31日は暫定税率がない日になりますが、ガソリンを購入する側からみるとすでに12月11日からガソリン価格は暫定税率廃止と同じ水準になっているので、消費者にとっては何も変わりはありません。

普通に考えると会計処理は月単位なので、12月31日の深夜をもって暫定税率を廃止すれば業者側の会計処理やシステムに余計な手間がかからないと思いますが、一部の野党が「年内廃止」にこだわったため、こんなおかしな手順になりました。

また、「沖縄県については、これまでの経緯や地域の実情を踏まえ」という一文は、これまで沖縄県内のガソリンは、沖縄復帰特措法により、揮発油税・地方揮発油税の軽減措置が講じられていて、本土の税が53.8円/Lのところ、13.0%分を軽減し、本土より7.0円/L安くなっています。

暫定税率が廃止されると本土は本則の28.7円/Lになりますが、沖縄の軽減幅については最終的な詰めをしているところなので、この表現になりました。』

また、油槽所在庫について、暫定税率廃止に伴い、急激な価格変動による流通の混乱を避けるため、事業者が税務申告を行う際に本則税率との差額分を控除(還付)する仕組みを措置する。

以上を踏まえ、令和7年8月の野党提出法案に必要な修正を加え、臨時国会で成立させる。

3.軽油引取税の暫定税率については、財源確保、流通への影響、地方財政への配慮等に加え、運輸事業振興助成交付金のと利扱い等の軽油引取税に特有の実務上の課題に適切に対応した上で、1.の軽油に対する補助金に代えて、地方団体の財政年度が開始するタイミングである令和8年4月1日に廃止する。

4.ガソリン・軽油の暫定税率廃止のための安定財源確保については、以下の方針に基づいて検討し、結論を得る。

『解説 暫定税率廃止に必要な財源は、ガソリン税で約1兆円、軽油引取税で約5千億円になります。

軽油引取税の5千億円は地方税です。』

一、徹底した歳出改革等の努力による財源捻出を前提としつつ、国際競争力の確保、実質賃金の動向等を見極めながら、法人税関係租税特別措置の見直し、極めて高い所得の負担の見直し等の税制措置を検討し、令和7年末までに結論を得る。

『解説 「法人税関係租税特別措置の見直し」は、賃上げ促進税制と研究開発促進税制の縮小が議論されています。

研究開発促進税制は、研究開発の割合が前年より下がっても対象になっているなど、効果が不明な部分もあり、これは本来ガソリン税とは関係なく見直されるべきものです。

また、自動車の4割は企業が保有していると言われており、ガソリン税が下がれば企業の経費が削減されることになります。

それもあって、法人の税負担を引き上げて、安定財源に充てようということです。

「極めて高い所得の負担の見直し」は、所得が1億円を超えると実効税率が下がるところを是正しようというもので、利子・配当・譲渡益の分離課税20%の税率を調整することではないと聞いていますが、規模は1千億円程度です。

「等」には車体課税を見直すなどが含まれているようです。』

二、道路関連インフラ保全の重要性、物価動向等やCO2削減目標との関係にも留意しつつ、安定財源を確保するための具体的な方策を引き続き検討し、今後1年程度を目途に結論を得る。

『解説 「具体的な方策」とは今後検討なのだと思いますが、受益者負担や原因者負担の考え方もあると聞いています。』

三、地方の安定財源については、一、二、の税制措置による地方増収分を活用するほか、具体的な方策を引き続き検討し、速やかに結論を得る。安定財源確保が完成するまでの間、地方の財政運営に支障が生じないよう、地方財政措置において適切に対応する。

『解説 「地方の安定財源」は軽油引取税の5千億円に代わる財源です。

一、で法人税の税収が増えれば、その約三分の一(35.8%)が地方に回りますが、これでは足りません。

車体課税を引き上げることも議論されるようです。』

*安定財源確保が完成するまでの間も、安易に国債発行に頼らず、つなぎとして、税外収入等の一時財源を確保して対応する。

*一、から三、について、野党提出法案に必要な修正を加え、附則に盛り込む。

5.上記合意の実現に必要な野党提出法案修正案、予算案及び税制改正法案等について、引き続き、各党は協力し、誠意をもって取り組む。



自由民主党 自民党入党申し込み ごまめの歯ぎしり メールマガジン(応援版) ニコニコ動画ごまめの歯ぎしり メールマガジン(応援版) 河野太郎の著書 カンタンネット献金

ブログカテゴリ

アーカイブ

河野太郎facebook 河野太郎インスタグラム
SSL GMOグローバルサインのサイトシール

河野太郎にメールする