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社会保障改革2025 年金法案か抜本改革か
2025.03.26
年金法案を国会に出す出さないが話題になっています。
今回の年金法案は、100年安心と言った2004年の年金改革が、それからわずか20年で、「制度は破綻していない」ものの年金額がこれからどんどん小さくなり、これでは年金生活は破綻するといった状況になったために必要となったものです。
だからこそ、ここで年金制度を抜本的に改革すべきです。
しかし、そのためには与野党を超えて政治が動かなくてはなりません。
厚労省に抜本改革をやれと言ってもできません。
今回の法案は、結局、政治が動かないため、厚労省ができることをやろうとするものです。
その内容は、年金額、特に基礎年金の金額を維持するために、毎年、消費税1%程度の税金を投入して、基礎年金を支えようとするものです。
しかし、ただ税金を年金に投入しますというわけにもいきません。
基礎年金には二分の一の国庫負担を入れるということになっているので、厚生年金の積立金を基礎年金に投入することにして、それと同額の税金を入れようというのが今回の「改革案」です。
年金額が減少して困っているのは基礎年金なので、厚生年金の積立金を国民年金にも流用することにして、国民年金の保険料負担を引き上げずに済まそうとしています。
厚労省としてはできることを取りまとめたわけですが、極めてテクニカルで、小手先の微調整に過ぎず、その微調整のために積立金を流用したり、税を投入するならば、それも使った抜本改革を議論し、実現するべきです。
「重要広範議案」だから厚労省の改革案を国会に提出すべきという国民生活になんの関係もない建前で、年金の抜本改革を遅らせるべきではありません。