パレスチナベイビー

2023.10.22

イスラエルから邦人の退避が続いていますが、ガザにも日本国籍を持つ人が10名程度、取り残されています。

そのなかにはかつてパレスチナベイビーと言われた、日本国内でパレスチナ人の両親から生まれて日本国籍を与えられた数名が含まれています。

日本はパレスチナ国家を承認していないので、以前は、パレスチナ人の夫婦が日本で子供を産むと、両親が無国籍と解され、日本の法律に基づいて、生まれた子供には日本国籍が与えられていました。

パレスチナ自治政府側から見れば、子供はパレスチナと日本の二重国籍になるわけですが。

2006年頃、在京の「パレスチナ大使」から、これはおかしいと問題提起されました。

現実にそれなりの人数のパレスチナ人が日本で生まれ、日本国籍を得ていましたし、すでに日本のパスポートで帰国した子供もいました。

法務省には法律的にこれ以外の対応はできませんでしたが、パレスチナ人は(どこの国籍かは別として)国籍を持っていると外務省が言えば、この問題は解決します。

当時、外務省はパレスチナ人は無国籍であると頑張りましたが、もし、ガザや西岸で動乱が起きて邦人を救出しなければならない状況になったら、「パレスチナベイビー」と呼ばれた日本国籍を持っているこの子達の居場所を特定し、救出できるのかと詰められ、とうとう、パレスチナ人も(どこの国籍かはわからないが)国籍を持っていると判断を下して一件落着しました。

2007年10月15日からパレスチナ人の両親から生まれた子供は、無国籍ではないので日本国籍は与えられないということになりました。

2008年に日本で開催されたイスラエルとパレスチナの信頼醸成会議に参加したパレスチナ代表団から、かつては日本政府がパレスチナ代表団に発給するビザの国籍欄にはXXXと書かれていたのが、XXPになったよと笑って言われました。

今回、ガザには2007年以前に日本でパレスチナ人の両親から生まれて日本国籍を持っている日本人が数人いることが確認されています。

一日も早く、この地域に平和と安寧を取り戻さなければなりません。



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