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マイナンバーカードの保険証利用について
2023.07.23
マイナンバーカードと保険証の紐づけの誤りなど、マイナンバーカードに関する問題が見つかり、皆様にはご心配のことと存じます。
大変申し訳ございません。
マイナンバーカードと保険証の統合について、少し詳しくご説明します。
長くなりますが、お付き合いいただければ幸いです。
マイナンバーカードと保険証が統合されて医療の分野でもデジタル化が進んでいくと、これから先、どんなことが起こるのでしょうか。
乳幼児健診の受診票や小児医療費やひとり親の受給者証、高齢者や障害者や指定難病の公的助成の受給者証などもマイナンバーカードに統合され、マイナンバーカードで、病院を受診したり、薬の受取ができるようになります。
さらに来年の4月をめどに、アンドロイドのスマホであれば、保険証の機能が搭載されるようになります。
医療機関の受診券もマイナンバーカードに統合することができます。
予診票や接種券がデジタル化され、必要な時期に送られてくるようになります。
予防接種の予診票や乳幼児健診のための問診票をスマホで入力することができるようになり、紙に手書きしたり、同じ内容を何度も記入したりしなくて済むようになります。
特定健診の結果や予防接種履歴をスマホで確認できるようになります。
高額療養費の上限に達しているかどうかを病院の窓口で確認できるため、一時的な立て替えが必要なくなります。
現在、神奈川県では、小児医療費の助成対象の子どもが県内の病院やクリニックで受診しても窓口負担はありませんが、都内をはじめ神奈川県外の医療機関で受診すると窓口負担を立替払いする必要があります。
しかし、マイナンバーカード保険証ならば、それも必要なくなります。
本人の同意の下、医療機関や薬局が薬剤情報を確認できるので、同じ成分の重複した薬や飲み合わせのよくない薬を受け取ることがなくなります。
かかりつけ医以外の医療機関にかかっても、必要な電子カルテ情報が共有され、スムーズに診療を受けることができるようになります。
過去の血液検査などの結果を閲覧することができるので、同じ検査を何度も受ける必要がなくなります。
レントゲンやMRI、CT等の画像が共有されるようになるので、何度も同じ画像検査を受ける必要がなくなります。
処方箋を電子的に薬局に送ってもらい、薬局からは薬を宅配してもらうことも可能になります。
処方箋を電子的に受け取ることができるので、オンライン診療を受けやすくなります。
自分の健診結果や家庭で測定する血圧などの生活習慣のデータを活用して生活習慣病を予防する行動に繋げることができるようになります。
万一の救急時にも、救急隊がマイナンバーカードから過去の受診歴や服薬の状況を把握して、迅速に的確な治療を施すことができるようになります。
日本人一人ひとりの医療情報を匿名化し、そのデータを解析することで、データに基づいた日本人にとって最良の治療方法や薬を選ぶことができるようになります。
匿名化した医療情報を活用して、新たな医療品の研究開発が進み、より効果のある薬を使うことができるようになります。
医療機関や自治体の事務負担が軽減され、さらにシステム運用の人的、財政的コストが削減されていきます。
医療・介護のデジタル化によって、日本の医療や介護の質が上がり、また、医療費や介護費を適正化することができます。
こんな未来をつくっていきたいと思います。
ぜひ、皆様のご理解とご協力の下、医療・介護のデジタル化を進めていきたいと思います。
そのデジタル化の基盤となるのがマイナンバーカード保険証です。
そのためには保険証情報とマイナンバーカードの誤登録をしっかりと防止することが必要です。
保険証とマイナンバーカードを紐づけるということはどういうことでしょうか。
また、その際、誤登録をどうやって防ぐのでしょうか。
あなたが転職をしたために保険者が変わったという想定で、ステップごとに説明します。
まず、あなたから転職先の企業に、あなたの基本五情報(漢字氏名、カナ氏名、生年月日、住所、性別)とマイナンバーを提出します。
企業は、保険者(健保組合や協会けんぽなど)にあなたの五情報とマイナンバーを載せた資格取得届(あなたがその保険に加入していることの証明)を提出します。
保険者は、あなたの情報を保険者の業務システムに登録して、新しい被保険者番号を発行するとともに、保険証を発行します。
同時に、マイナンバーカードで保険証が使えるよう、保険者は、あなたの五情報とマイナンバーと被保険者番号を支払基金または国保中央会のシステム(「中間サーバー」)に登録します。
その際、あなたのマイナンバー、カナ氏名、生年月日の三情報がこれまでの保険者が登録していたあなたの情報と同じかどうかもシステムで確認し、マイナンバーが間違っていないことを確かめます。
「中間サーバー」に登録されたあなたの五情報と被保険者番号は、自動的に「オンライン資格確認システム」に登録されますが、ここにはマイナンバーは登録されません。
新しい保険証は、発行してからあなたの住所に郵送しますので、日数がかかります。
しかし、あなたの情報はシステムにすぐに登録されますので、マイナンバーカード保険証ならば、次の日の朝には、医療機関はあなたのマイナンバーカードで新しい保険資格を確認することができます。
(市町村国保の場合、窓口で保険証を発行してお渡しするケースがあるので、その場合はすぐに新しい保険証を使えます)
あなたがマイナポータルから、マイナンバーカードを保険証に紐づけることを選択すると、この「オンライン資格確認システム」に登録されたあなたの情報に、あなたのマイナンバーカードのICチップに搭載されている電子証明書のシリアル番号が添付されます。
医療機関のカードリーダーは、あなたの電子証明書のシリアル番号からオンライン資格確認システムのあなたの情報にアクセスして、あなたの保険資格を確認するとともに、あなたの受診情報や薬剤、特定健診などの情報を引っ張り出してきます。
では誤登録はどうして起こるのでしょうか。
もしあなたが企業にマイナンバーを提供しないと、企業は保険者にあなたの漢字氏名、カナ氏名、生年月日、住所、性別の五情報だけを提供することになります。
こういう場合、保険者は、J-LIS(地方公共団体情報システム機構)が持っている住民基本台帳の情報に、あなたの五情報で検索をかけるのがルールになっています。
五情報が全て一致するデータがあれば、それは間違いなくあなたのデータですから、それで得られたあなたのマイナンバーを登録します。
しかし、住所には表記揺れが多くあり、なかなか一致しません。
例えば赤坂一丁目二番三号を赤坂一丁目2-3や赤坂1-2-3と書いたり、赤坂1-2-3と半角で書いたり、赤坂1の2の3と書いたりすることがあり、コンピュータはこれらを同一とは判断しません。
そのため、なかなか五情報全てが一致するデータを検索することができないため、五情報すべてではなく、漢字氏名、カナ氏名、生年月日、性別だけで検索してしまうことがあったようです。
同じ生年月日で同姓同名の方がいたために検索で別人がヒットしてしまい、その人のマイナンバーを登録してしまったというのが誤登録になった原因でした。
そのため、6月1日から、登録をする際に五情報にマイナンバーを必ず添付してもらうというルールを明確にしました。
その上で、万が一、保険者がマイナンバーを入手できなかった時は、必ず住所を含めた五情報の一致を確認してから登録することとし、マイナンバーが添付されておらず、五情報も一致しない場合は本人に確認をしなければ登録できなくなりました。
これで、誤登録を防ぐことができます。
これまでの保険証は、写真がないため、なりすましや使い回しを防ぐことができませんでした。
また、転職などで保険資格が変わったときも、新しい保険証の発行に時間がかかるため、医療機関が保険資格の変更に気がつかず、レセプト(診療報酬明細書)が差し戻されるケースがありました。
マイナンバーカード保険証ならば、こうした事態を防ぐことができます。
マイナンバーカードを忘れたり、カードリーダーで読み取りができなかったりすると、10割負担になるという話が報道されていますが、これは誤解を招きかねないと思います。
もしあなたが保険証を忘れてしまっても、かかりつけ医なら、あなたのことをよく知っていますから、次回に持ってきて下さいねといわれるけれど、10割の自己負担を求めることはないでしょう。
マイナンバーカードでも同じです。
マイナンバーカードを忘れたり、読み取りができなかったからといって、マイナンバーカード保険証であることを理由としてかかりつけ医があなたに10割負担を求めることはありません。
これまでご説明してきたように、高齢化が進む中で医療や介護のDXは待ったなしだと考えます。
皆様のご理解とご協力を頂きながら、しっかりと進めて参ります。
次に病院、クリニック、歯科、薬局に行く時には、マイナンバーカードによる受付を体験してみて下さい。