比例代表選挙
2022.06.04
この夏に参議院選挙が行われます。
参議院選挙は、各都道府県を選挙区とする選挙区選挙と全国を対象とする比例代表選挙の二つがあります。
一票目が選挙区選挙、二票目が比例代表選挙です。
選挙区選挙は、選挙区が都道府県全体にひろがる(鳥取・島根及び徳島・高知は二県で一つの選挙区になります)他は、衆議院選挙と似ています。
比例代表選挙は、政党名または候補者の個人名のいずれかを記入して投票することになっていて、仕組みがわかりにくいかもしれません。
たとえば自民党が、鈴木一郎、佐藤二郎、高橋三郎、甲野四郎、乙野五郎の五人の候補者を比例代表に公認したとしましょう。
「自民党」と政党名を記入した投票数が70万票、鈴木一郎と書いた票が15万票、佐藤二郎が8万票、高橋三郎が7万票、甲野四郎が4万票、乙野五郎が1万票だったとしましょう。
まず、「自民党」と政党に投票された票に、自民党の公認候補者に投票された票数を全て加えます。
「自民党」 70万票
鈴木一郎 15万票
佐藤二郎 8万票
高橋三郎 7万票
甲野四郎 4万票
乙野五郎 1万票
合計 105万票となります。
この105万票が自民党の獲得議席数を決めるのに使われます。
他の政党についても同様に、政党名に投ぜられた票に、その党が比例代表に公認した候補者の得票を全て加えて、その政党の合計の得票数を出します。
それぞれの政党の得票数を使ってドント方式で、比例代表の定数を各政党に分配し、各政党が獲得する議席数が決まります。
今回の場合、自民党は105万票で、3議席を獲得したと仮定しましょう。
自民党の公認候補者のうち、どの三人が当選するかは、それぞれの候補者が獲得した票で決まります。
今回の場合、得票数の多い三人、鈴木一郎、佐藤二郎、高橋三郎の得票数上位三人が当選になります。
このように、比例代表選挙では、政党名でも候補者の個人名でも記入できますが、もし、政党名を書くと、その政党が獲得する議席を決める一票にはなりますが、その政党の候補者のうち、誰を当選させるかを決めることにはなりません。
もし、政党の公認候補者の名前を書いて投票すれば、その政党が何議席を獲得するかを決める一票になると同時に、その政党の公認候補者のうち、どの候補が当選するかを決める一票にもなります。
ただし、A党を支持しているのに、B党の候補者名を書いて投票すると、あなたの投票はB党の議席のために計算されることになります。
そこは要注意です。
いつも比例代表選挙では、政党名を書く投票が七割、候補者名の投票が三割程度です。
多くの人は、政党への議席の割り振りには参加していても、どの候補者を当選させるかというところには参加してないことになります。
もちろん政党名で投票することに全く問題はありませんが、候補者名で投票して、当選者を決めるところにもあなたの一票を生かしてみませんか。