電力逼迫 その1
2022.04.07
3月22日に電力需給が逼迫し、警報を出して節電を呼びかけるような事態になりました。
何が起きたのでしょうか。
今年の冬、電力需要が最大になったのは1月6日、5374万kWhでしたが、特に問題は起きませんでした。
その後、出力にして511万kW分相当の発電所が計画停止します。
東日本大震災以後、3月の最大需要は4712万kWでした。
また、3月に10年に一度の寒さが来た場合の最大需要は4536万kWと想定されることから、需給に問題のないこの時期に、必要な点検を順次やっておこうということでした。
その後、3月16日の地震で、JERAの広野火力発電所が停止し、東京電力分110万kWが失われました。
さらに地震で東北電力からの送電網に影響が出て、運用容量の500万kWが半減しました。
これは地震で相馬、原町の火力発電所に影響が出たことにより、安定運用ができなくなったことによります。
さらに3月17日に電源開発の磯子火力が計画外停止し、134万kWが失われます。
この結果、東電管内の供給能力は揚水発電を入れても4530万kWまで低下しました。
一方、天気予報などから3月19日時点で、3月22日の気温は最高9.4度、最低6.7度、最大需要の想定は、4300万kWでした。
その後、3月20日の予報で22日の最高気温3.8度、最低気温3.1度まで下がり、電力需要予測の最大は4694万kWまで増加し、前日(21日)の予想で最低気温が2.0度まで下がり、電力需要予測は4840万kWへと上昇します。
火力発電所の出力増加、自家発電事業者の焚き増しを要請すると共に、点検に入ったばかりの発電所を再稼働させ、他エリアから1200万kWhの融通を受けました。
大口需要家への節電要請に加えて、需給逼迫警報を出し、国民にも節電を呼びかけることにより、8時から23時の間で4395万kWhを削減していただきました。
(kWとkWhの違いに注意して下さい)
続く