おすすめの一冊
2021.12.20
不定期連載、おすすめの一冊、今日はおすすめの四冊です。
「同志少女よ、敵を撃て」 逢坂冬馬
傑作です。
第二次大戦の最中に活躍した女性狙撃兵を主人公にした小説です。
実際に第二次大戦中、ソ連には女性の狙撃兵がいたようです。
スターリングラードで活躍した実在の狙撃兵ヴァシリー・ザイツェフを描いた「スターリングラード」という映画がありましたが、この小説の主人公たちもスターリングラードで戦います。
スターリングラードの戦いはどう戦われたのか、これまで読んだどんな本よりもわかりやすくかかれています。
また、狙撃とはどういうものなのか分かります。
著者はこの本で直木賞にノミネートされましたが、日本の作家がどうしてソ連兵や独ソ戦のことをここまで書けるのか、不思議です。
まるで翻訳された小説を読んでいるような気分でしたが、ソ連兵の会話が日本の女子高生のような言葉遣いになっているところにやや違和感が。
「ベルリンに堕ちる闇」 サイモン・スカロウ
第二次大戦初期のベルリンを舞台に、殺人事件を解決しようとする刑事が、ナチスの内部抗争に巻き込まれながら、捜査を進めていきます。
当時の雰囲気が伝わってきます。
こうした過去を舞台にした警察小説には他にも傑作があります。
「カルカッタの殺人」 アビール・ムカジー
1919年の英国領インドのカルカッタでの殺人を、イギリス人警部が部下のインド人刑事と解決していきます。
「Hope Never Dies」 Andrew Shaffer
トランプ政権時代という設定で、主人公の副大統領を退任したジョー・バイデン前副大統領が、バラク・オバマ前大統領と殺人事件を解決しようと動き回るという….
アメリカ政治に詳しいとクスッと笑えるのでしょうが、私もどこまでパロディを理解できたのかわかりません。
続編もあるようですが、まあ、もういいかな。
邦題は「ホープネバーダイ」、三単現のSが抜けてるよ。