コンプレッサーに関する規制改革
2021.07.26
2020年12月、長野県にて、規制改革に関する意見交換を行いました。
その際、長野県の阿部守一知事から、「技術の進化に対応していない騒音規制を見直してほしい」という要望をいただきました。
圧縮した気体を動力源とするコンプレッサーは、出力が7.5キロワット以上の場合、騒音規制法と振動規制法において、一律に「著しい騒音や振動を発生する施設」とされています。
コンプレッサーを工場・事業場に設置する場合は、市区町村への届出が義務付けられ、違反した者には、罰則もあります。
届出された施設も、周辺の生活環境が損なわれているなどの場合には、改善勧告や命令の対象となり、命令に反した場合には、罰則もあります。
しかし、この規制対象の要件は、騒音規制法が施行された1968年、また振動規制法が施行された1976年以降、約50年間にわたり、一度も改正されていません。
一方、コンプレッサーの性能は大きく進化しています。
一例として、あるメーカーのコンプレッサーの最新機種は、1980年代の発売当初より、騒音の大きさが約3分の1となり、「エアコンの室外機よりも静か」との声も聞かれます。
こうしたことから、今回、コンプレッサーの規制対象の要件を見直すことになりました。
具体的には、現在、キロワットを基にした「出力」ベースの一律規制についてを見直し、例えば、騒音や振動の大きさが一定以下になるなど、総合的にみて生活環境保全上、問題ないと評価できるものを規制対象外とする方向で検討します。
7月28日に第1回の専門家等による検討会を開催し、8月に中間報告、2021年中に政令改正、2021年度中に省令等の整備を目指します。
コンプレッサーの性能の進化に対応した基準ができれば、更なる技術革新にもつながります。
また、建築基準法においても、原動機の設置に関して、住宅地内の騒音対策が、出力に基づいた一律規制になっています。
今回の騒音規制法の見直しを、建築基準法にも横展開すべく、国土交通省と調整を進めています。
今後とも、政府を挙げて、時代の変化、技術の進化に対応した規制改革に取り組みます。