保税ルールの規制改革

2021.04.03

保税地域という場所があります。

外国から輸入した貨物が輸入許可を受ける前、あるいは外国へ輸出する貨物が輸出許可を受けた後に置かれる場所です。

国際空港で言えば出国した後、あるいは入国審査を受ける前の空港のターミナルのような場所です。

保税地域は、税金的には日本国外です。

外国から来て保税地域におかれている貨物には、まだ関税や消費税はかかりません。

保税地域から貨物を引き取る時に、関税と消費税を支払います。

保税地域に関する大きなルールの変更が、日本で今、行われています。

話が少し飛びます。

これまで世界の美術品の市場は、ロンドン、ニューヨーク、そして香港でした。

世界的に美術品市場の大きさは20兆円程度といわれています。

そのうちアジアでは香港がダントツに大きく、2兆円規模を誇っています。

日本全体では2000億円程度と言われています。

香港がアジアの美術品市場の中心になった理由のひとつに保税地域のルールが緩やかであることがあげられます。

外国から高価な美術品を香港に持ち込む時に、税金のかからない保税地域で保管し、保税地域で展示、商談、あるいはオークションまで行うことができます。

海外のバイヤーが、世界中から香港に集められた高価な美術品を香港で取引しても税金がかかりません。

他方、日本では、保税のルールが厳しく、保税地域に保管できる期間も制限され、保税地域に美術品を保管できてもオークションなどを行うことはできませんでした。

たとえば1億円の価値のある美術品を日本で売買しようとすると、保税地域から一度、日本国内に輸入した形にしなければなりませんでした。

海外のバイヤーが、世界から日本に集められた美術品を日本で購買しようとすると、一度、消費税を支払って、海外に持ち出す時に消費税の還付を受ける手続きが必要でした。

今回、保税地域に関する規制を大幅に緩和しました。

香港でできることは日本でもできるようになりました。

また、たとえば東京都内で画廊が集まっているビルや地域を保税地域に指定することもできるようになりました。

香港の二制度一国が破壊され、香港の自由が奪われてしまったなかで、海外のバイヤーがこれまでのように美術品や宝飾品などを香港に集めて取引するということはなくなっていくでしょう。

その時に、日本が香港に代わる市場の役割を果たせすために、法令の改正や美術品市場のインフラ形成を始めたいと思います。

保税地域のルールを変えるだけでなく、貴重で高価な美術品を安全に低コストで運搬、保管したり、売買代金がきちんと決済されるインフラをつくらなければなりません。

日本はルールが厳しいからと、これまで日本進出に二の足を踏んでいた世界のアートギャラリーに日本進出を促していかなければなりません。

日本に美術品を買いに来る世界中の富裕層に、それに加えて日本国内の旅行を楽しんでもらえるさまざまなものを提供しなければなりません。

そして、日本の若いアーティストを育てていくことも大切です。

保税地域の規制改革は、日本の新しい可能性を育てていきます。

この一環で、有楽町のアートギャラリーCADANを視察しました。

日本の現代アートが展示されていました。

白状すると、まず、どれがアートなのか、最初はわかりませんでした。



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